コピーライティングのテストをする前に!この注意を厳守して!

コピーライティングにおけるテストとは、何かしらの要素を変更した別々のページを用意し、実際にお客さんに見せてどちらが優れているかを実験することを意味します。

主にセールスレターやランディングページの反応率を上げるために使われるものです。

単に「テスト」とだけ呼ぶこともあれば、「ABテスト」「A/Bテスト」「スプリットテスト」などとも呼ばれます。

この記事では、以下の解説をさせていただきます。

  • なぜテストをするのか、重要性
  • どんな要素をテストすればいいのか
  • テストをする上で必ず守らなくてはいけない注意

あなたが今のセールスレターやランディングページの反応率を上げたいとお思いなら、きっと役に立つでしょう。

テストの重要性

それではまず、テストを行う重要性について解説していきます。

約60年にもわたってアメリカで活躍した伝説的コピーライターであるジョン・ケープルズも、「成功へのカギは、広告のあらゆる要素をテストすることにある」と残しています。

最初から完璧なものは書けない

超一流のコピーライターが、丁寧にリサーチを繰り返した上で書き上げたレターだったとしても、最初の一発で理想の結果を出せることは少ないです。

どんなビジネスであれ、やってみないとわからない部分というのは必ずあります。しかし、満足いく結果が出なかった時点で諦めるのではなく、そこから改善を繰り返すことによって理想の結果に近づけていくことは誰でもできます。

多くの人は自分が書いたことで満足してしまったり、面倒に感じてしまったりすることからテストをしません。

しかし、一度書いたものが上手くいかずそこで終了となれば、それまでの苦労が全て水の泡です。逆に、最初でどれだけ失敗しようとも、テストで改善を繰り返していけばいつか必ず良い結果に繋がります。

書いた後こそ本番であることを肝に銘じてください。

成約率(コンバージョン率)アップ

セールスプロセスの流れの中で、最初に改善すべきは成約率です。なぜなら、お風呂の栓を閉めずに水を溜めるのが無理であるように、クロージングができない状態でいくら見込み客の数を増やしても、そのほとんどを取りこぼしてしまうからです。せっかくかけた集客コストが無駄になってしまいます。

また、ビジネスで最も大変なのは新規集客です。アクセスを増やすよりも、成約率をアップさせるほうが遥かに楽なのです。

そして、セールスレターのテストを繰り返すことで成約率をアップさせることができます。

セールスレターの成約率が1%というのは平均的な数値ですが、これを2%にするだけで売り上げが2倍になります。売り上げが2倍になったからといって経費が2倍になるわけではありませんから、利益は2倍以上となるでしょう。

もちろん、メルマガやLPの反応率を上げることができれば同様に新規集客コストを減らすことができます。広告費を増やす前に、テストをして反応率を上げることを考えてください。

セールスライティング経験値アップ

テストを繰り返し、「どういった項目をどう変えたら反応率が上がったか」という経験を積んでいくことにより、あなたのライターとしてのレベルが上がっていきます。

なぜなら、経験を重ねることにより自分のノウハウになっていき、テストをする前から「どこを改善したら反応率を上げられるか」というアタリがつけられるようになるからです。テストの精度が研ぎ澄まされていくことでテストの手間も減っていきますし、最初のレターの成果自体も上げることができるようになります。

特に、あなたがセールスコピーライターとして活動をしていくのであれば非常に大切です。テストをせずに一度書いて終了としてしまうライターも存在しますので、きちんとテストをすることで一歩リードすることができます。

テストを行う項目

テストの重要性がわかったところで、「結局どこからテストをすればいいの?」とわからなくなってしまっている方も多いことでしょう。

確かに、特にセールスレターであれば文章量も非常に多いですし、使われている要素もいくつもあります。

  • ヘッドコピー
  • サブヘッドコピー
  • リードコピー
  • ボディコピー
  • レイアウト
  • 色使い
  • 画像
  • CTA(コールトゥアクション:レターの中で、読者にとってもらいたい行動へ誘導するためのボタンやリンクのこと)のサイズや色
  • 媒体
  • フォント
  • 価格
  • 保証
  • 特典

大企業が長期間販売するような商品のレターであれば、フォントなどの非常に細かいところまでテストをすることがあります。

しかし、そうでなければ以下の3つの項目を優先しましょう。結果が大きく変わる可能性が高いものだからです。

  • 媒体
  • ヘッドコピー
  • オファー

個別に見ていきましょう。

媒体

媒体とは、「どのようなリストにオファーするか」ということになります。

しっかり教育をして信頼関係を構築できているハウスリスト(自社が持っているリスト)と、広告経由で初めてあなたの会社を知ったばかりのリストで大きく結果が変わるのは想像できるはずです。

広告でもどんな広告が最も費用対効果が高くなるのかをテストしていきましょう。

  • YahooやGoogleのリスティング広告
  • FacebookやtwitterなどのSNS広告
  • アフィリエイターに紹介してもらう
  • チラシを作ってポスティング

などなど、様々な媒体であなたの商品との相性を確かめてみてください。

ヘッドコピー

セールスレターを書く上で最も重要な箇所はヘッドコピーです。コピーライターによってはヘッドコピーを最後に書くという人や、ほんの数行程度のヘッドコピーを作るのに、数千文字のボディコピーを書くよりも時間をかけるという人もいます。

なぜなら、その後のボディコピーからクロージングの流れがどれだけ魅力的であろうとも、ヘッドコピーで興味を引けなければ読んですらもらえないからです。実際、ヘッドコピーの変更だけで売上が大きく変わることはよくあります。

当然、テストにおいても、セールスレター上の項目であればヘッドコピーのテストが最も結果への寄与度は高いです。

最初にセールスレターを書いている段階で、訴求ポイントなどによって複数のヘッドコピーを作成するのが普通です。その時にボツにした案も残しておき、テストで試してみると良いでしょう。

オファーの中では特に価格

オファーとは、商品、価格、割引、限定性、保証や特典を含めた、お客さんに提案することの全てを指します。

この中で、テストの段階で商品を入れ替えるということはないでしょうから、それ以外の要素をテストしていくことになります。

その中でも重要な価格と保証について、個別に解説していきます。

価格

オファーの中で特に大きな要素は価格です。

といっても安ければ良いというわけではありません。価格と成約率は必ずしも比例するわけではないのです。

「価格は品質の保証」と考える人もいて、そういった人はあまりに価格が安いと不安を感じてしまうからです。

また、金銭的にある程度余裕のあるお客さんであれば、本当に欲しいものは値段が高かろうと買ってくれます。もちろん業界や商品にもよりますが、30万円の商品を60万円にしたとしても成約率が半分まで落ちない可能性が高いです。

成約率と商品の価格を計算して、最も売上が上がる価格設定を見つけましょう。

保証(リスクリバーサル)

全額返金保証などの保証の有無や、保証の内容についてもテストしてみましょう。保証の場合の注意として、「保証の申請がどの程度発生するか」についても確認する必要があります。

極端な例ですが、全額返金保証をつけることによって売上が2倍に増えたとしても、そのうちの50%のお客さんから返金申請をされてしまったら売上は元に戻ります。原価や経費を考えれば利益が減るのは確実でしょう。

このように保証に手を加えた直後の成約率だけではなく、保証の申請率も加味した上で判断する必要がありますので、テスト結果の判別に他の要素よりも期間がかかることを覚悟してください。

テストを行う上での注意

テストの重要性とテストをする項目について説明してきましたが、次はテストを行う上での注意についてです。

これらを破ってしまうとテストの効果が完全に無駄となってしまいますので、必ず守るようにしてください。

小さくテストする

テストは小さく行いましょう。「小さく」というのは、10万件のリストがあるのであれば、2,000件くらいずつ別のレターを試していくようなイメージです。

10万件のリストで、たとえば2万件ずつテストしてしまったらたった5回のテストだけでリストを全て使い切ってしまいます。

まず初期段階のレターを2,000件程度に送って反応率を確認、そしてヘッドコピーを変えるなどした第二段階のレターを次の2,000件程度に送って反応率を確認、さらに何かを変えたレターを次の2,000件に……と繰り返し、最大の反応率が出るレターを探ります。

考えられるアイデアの中で最大の反応率が得られるレターが出来たら、残りの全てのリストに向けてその最高のレターで一気に勝負をかけます。

ビジネスではこのように「小さくテストして、優位性のあるところに全力投球」という姿勢が大切です。ぜひ憶えておいてください。

とは言っても、小さすぎてはダメ

「小さく行う」と書きましたが、母数が小さければ小さいほど偶然に左右される部分が大きくなり、数字の偏りも大きくなってしまいがちなので注意してください。

たとえば、6面全てが完全に同じ確率で出るサイコロがあったとすると、それぞれの数字が出る可能性は100% ÷ 6 = 16,6666…%です。

そのサイコロを1,000回振ってそれぞれの面が出た回数を記録したら、偶然による多少の差はあれど、どの面も均等に大体16,6666…%、つまり166回とか167回前後になるはずです。

しかし、振る回数が6回だけだとしたらいかがでしょう? それぞれの面が均等に1回ずつ出る可能性というのは非常に低いのがおわかりいただけるでしょうか。

このように、試行回数が少なければ少ないほど偶然による数字の偏りが大きくなります。

いくら「小さくテスト」といっても、10人ずつのテストでは優劣の判断をするのは難しいです。偶然による偏りを減らすため、少なくとも500人程度を1グループと考えてテストすることをお勧めします。

テストする項目は一つずつ

テストする項目は必ず一つずつにしてください。

たとえば、初期段階のレターで反応率を計測した後に、ヘッドコピーとデザインを変えて保証と特典を新たに加えた第二段階のレターを送ってみたところ、反応率が上がったとします。

そうなると、反応率が上がった要因というのが変更したヘッドコピーやデザインなのか、それとも加えた保証や特典なのかがわかりません。

ヘッドコピーのテストをしたいのであれば、他の項目には一切手を入れずにヘッドコピーのみを変更したABテストを行ってください。他の項目のテストを行いたいのであれば、ヘッドコピーのテストを終えた後です。

明確な違いのある比較をする

どの程度細かくテストをするかにもよりますが、テストをするA案とB案の相違点がほんの少しだけという場合は、ほぼ同じ結果になる可能性が高いです。

たとえば広告の画像をテストするとして、間違い探しのように似通った画像同士でテストをしてもあまり効果はありません。

真面目な表情のビジネスマン風の男性の画像をA案として出すなら、B案としては以下のようなものを考えましょう。

  • 笑顔やカジュアルな服装など、リラックスした雰囲気にしてみる
  • 女性にしてみる
  • 子供にしてみる
  • 動物にしてみる
  • 写真ではなくイラストにしてみる

自分の勘ではなく数字を優先

企業とお客さんの感覚というのは往々にしてすれ違うものです。

あなたの「こういうヘッドコピーなら売れるだろう」「こんなデザインじゃ売れるわけがない」「こんな長い文章は読みたくない」といった先入観、個人的意見、勘によって判断するのはやめましょう。

それよりも、集計した数字を優先してください。あなたの好みではないセールスレターが最大の売上を上げてしまうということは、十分に有り得るのです。

満足する結果が出たらいじらない

テストを繰り返し、満足する結果が出る良いセールスレターが出来上がったのであれば、それ以上手を加えるのはやめておきましょう。

テストだけの話ではありませんが、お客さんは飽きていないのに企業が飽きてしまって施策を変更してしまうというのも、起こりがちなミスです。

こちらも数字を優先しましょう。時代の変化などによって反応率が落ちた時点で変更を考えればいいのです。

まとめ

以上、コピーライティングのABテストについて解説させていただきました。

たしかに、テストは面倒な作業です。「書いて終わり!」としたくなる気持ちもとてもわかります。

しかし、セールスレターの成約率がたったの0.1%上がるだけで、あなたの会社の売上と利益はいくらになるでしょうか? もし1%上がったらいかがでしょう?

テストによってこれくらい変わることはあり得ます。労力をかけるだけの価値のある仕事なのです。

また、テスト用にレターの別の案を作る際にも、コピーライティング全般の知識があったほうが良いものにできる可能性は高まるでしょう。良いレター同士のテストにすることによって、テストの回数を減らして効率的に成果を向上させることができます。

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ABOUTこの記事をかいた人

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ゼロイチ㍿ 代表┃一般社団法人日本セールスプロモーター協会 代表理事┃YouTube6.4万人┃ゼロ起業副業アカデミー運営┃法人2社経営┃中卒→累計20億┃