コピーライティングは長い文章になりがち?適切な文字数とは?

「コピーライティングを使って文章を書いてみたけど……これは長すぎ? 短すぎ?」と、迷いを感じることがありますね。適切な文字数とは、どの程度なのでしょうか?

クラウドソーシングサイト等では、以下のような文字数で募集している案件をよく見かけます。

  • 本格的なセールスレターは15,000文字~25,000文字程度
  • メルマガは1通で数百文字~2,000文字程度

しかし、適切な文字数というのは決まっていません。状況とオファーによって文字数は大きく変わってくるものとお考え下さい。

この記事では文字数を考える際のヒントについてお伝えしていきます。

理想は長すぎず、短すぎず

まるで当たり前のことのように感じますが、理想は「長すぎず、短すぎず」です。

文字数は状況とオファー次第

セールスレターが「セールスマンシップ・イン・プリント」と呼ばれるように、コピーライティングは実際に相手を説得する際のトークを紙上に起こしたものと考えられます。

相手を説得する際は「どのような状況で、どのようなオファーなのか」という要素によってトークの内容が大きく変わってくるのがイメージできるのではないでしょうか?

たとえば1億円の投資用不動産を売りたい場合、即決で購入してくれるようなお客さんはなかなかいないはずです。セールスマンは何度もお客さんとの接点を作って信頼関係を作り上げ、たくさんの情報をお客さんに与えて説得していくことになります。

では逆に、駅前での「広告付きポケットティッシュを無料で受け取ってください」というオファーはいかがでしょう?

無言でポケットティッシュを目の前に出されるだけで、受け取ってくれる人は非常に多いはずです。その際に配布する従業員が、広告主の情報について長々と語り出したら「じゃあ要らない!」と思ってしまうのではないでしょうか。

このように、状況とオファー次第で相手に与えるべき情報量というのは変わってくるのです。

行動してもらえる最小限の情報量

以上のように、「セールスレターの場合は〇文字にしてください」「メルマガの場合は〇文字にしてください」とは一概に言えるものではありません。

情報量が足りなければお客さんの警戒心が勝ってしまい行動してもらえませんし、基本的にお客さんはそのレターを一度しか見てくれません。伝えるべき魅力は全てを盛り込む必要があります。

また、あなたがいくら頑張って書いたレターであろうと、長文を一字一句逃さず読んでくれるお客さんというのはあまりいません。

読み飛ばされてしまうことを前提とし、お客さんに強く訴求したいポイントを何度も伝えることは有効です。

その一方で、既に行動する意思のあるお客さんに余計に情報を与えるのもしつこさを感じさせてしまいます。やはり長すぎず短すぎず、相手に行動してもらえる最小限の情報量が理想といえます。

最終的にはABテストで判断

ではレターの長さは結局どうすればいいのかというと、最終的には「長くしたレター」と「短くしたレター」を作って成果を比べるABテストを繰り返して詰めていくしかありません。

ABテストについてはこちらの記事に詳しく載せてあります。

コピーライティングのテストをする前に!この注意を厳守して!

ただし、「どういう場合に文字数を増やしたほうが良いのか」という基準はいくつかあります。次はそれをご説明していきます。

適切な文字数を考えるヒント

では、あなたが書こうとするレターの適切な文字数を考えるヒントについてお伝えしていきましょう。

商品の価格

まずは商品の価格です。前述の投資用不動産の話のように、価格が高いほど相手にたくさんの情報を与える必要があります。価格が高いほうがお客さんは警戒心、恐怖心を感じるため、じっくり考える必要があるからです。

逆に、無料サンプルを請求してもらうランディングページであればそれほど多くの文字数は必要ではない傾向にあります。お客さんも気楽に申し込むことができるからです。

商品の複雑さ

続いて、その商品の複雑さです。お客さんが日常的に馴染みがあり、パッと見でどういうものかわかる場合は詳しく説明する必要はありません。

むしろ、わかりきっていることをいちいち説明されることは、お客さんのストレスにすらなり得ます。

たとえば、前述のように無料のポケットティッシュ配布であれば、ティッシュの製造工程の紹介や使い方などの説明は無いほうが良いのです。

読者のレベルも考える

複雑さに関連しますが、読者のレベルも考えてみましょう。

同じ業界の商品を販売する場合でも、上級者を狙ったものよりも初心者を狙ったもののほうが、レターに専門用語が使いづらくなります。

簡単な言葉で説明したり、専門用語を使う際はいちいち解説を入れるなどしたりする必要があるため、文字数も増えがちです。

たとえば、現役コピーライターやマーケターに向けたレターであるなら以下のような専門用語は常識であるため、解説を挟む必要はありません。

  • CVR(Conversion Rate:レターを読んでくれている人数に対し、購入や申し込みなどのコンバージョンに進んだ人数がどの程度かという割合)
  • CTR(Click Through Rate:広告が表示された回数に対し、どの程度クリックされたかという割合)
  • CTA(Call To Action:購入やお問い合わせなど、読者にとってもらいたい行動に誘導すること。またはその購入やお問い合わせへのリンクやボタンのこと)
  • CPA(Cost Per Acquisition:新規顧客を一人獲得するために、どれだけのコストがかかったか)
  • LTV(Lifetime Value:一人の顧客がその企業との取引を始めてから終えるまでに支払ってもらえる単価の総額のこと)
  • EFO(Entry Form Optimization:お客さんの申し込みフォームを最適化すること)

しかし、マーケティング初心者に向けてのレターであれば、それぞれ括弧内の解説をいちいち記載するなり、別の易しい言い方をしてあげなければなりません。文字数がどんどん増えていくのは仕方のないことです。

あなたのメインのターゲット層が、どの程度そのジャンルに精通しているのかも考えて、内容を合わせていきましょう。

読者の認知度

あなたの会社や商品の知名度、お客さんがどの程度知っているのかという認知度も重要な要素です。

あなたの会社や商品のことを全く知らないお客さんにオファーをかける場合、「信頼してもらうための情報」を相手にたくさん与える必要があります。

相手はあなたに警戒心を持っていますし、説得されるまでに強い心理的抵抗を感じることになるからです。

逆に、既存客向けの商品であれば文字数はあまり多くてなくても良いでしょう。特に、相手があなたの会社や商品の大ファンなのであれば、「あなたの会社の商品だから」「あなたがお勧めしてくれたから」というだけで買ってくれます。その場合はほとんど「商品を提示するだけ」で良いと言えます。

読者の悩みのレベル

「読者がどれほど悩んでいるか」ということも考えましょう。「OATHの法則」をご存じでしょうか? お客さんの悩みの状況を4段階で考えるものです。

  • O:Oblivious(無知):お客さんがその悩みに気づいてすらいない
  • A:Apathetic(無関心):お客さんがその悩みに気づいているが、解決しようと思っていない
  • T:Thinking(考えている):お客さんがその悩みの解決策を検討している
  • H:Hurting(困っている):お客さんが今すぐその悩みを解決したいと思っている

たとえば、虫歯の痛みが急に激しくなり、仕事が手につかないほど痛くて今すぐどうにかしたいと思っている人(Hurting)の場合、「どの歯医者が自分に最も合っているのか」ということを調べる余裕はありません。とにかく最寄りの歯医者の予約に動くことになるでしょう。

OATHの法則の後の段階であればあるほど、解決策を目の前に提示するだけで行動してくれますので、情報量は少なくて済むのです。

逆に、Oblivious(無知)の状態のお客さんには悩みに気づかせる必要があり、Apathetic(無関心)のお客さんにはその悩みを解決する重要性を教える必要があります。すると文字数がどんどん増えていくことになります。

ライバル他社を調べよう

あなたの商品と似たような業界、似たような状況、似たような価格帯で販売していて成功しているライバルがいるのであれば、セールスプロセスを調べてみましょう。

セールスコピーライターがレターを書く際は、基本的には一からではなく、「スワイプファイル」と呼ばれるすでに成功したレターを参考にして書いていきます。

完全な真似では著作権侵害となりますが、ライバル他社のレターをうまく真似ることによって、文字数を含めスワイプファイルとして参考にすることができます。

スワイプファイルについて詳しくは、こちらの記事をご覧ください。

一流セールスコピーライターが必ず持っているスワイプファイルとは?作り方・使い方まですべてを網羅

動画や画像を使えば文字数を減らせる

動画や画像を使うことにより、文字数を減らせることにも繋がります。たとえば以下のような項目が考えられるでしょう。

  • お客様の声を、文章ではなくインタビュー動画にする
  • 実際に商品を使用している様子を動画にする
  • 商品の成果を証明する証拠を画像で貼る

お客さんに商品のイメージを伝えるという目的においては、動画や画像を使うことによって、文章ではとてもできない表現をすることができます。

あなたのレターの中で動画や画像に置き換えられる箇所が無いかどうか、検討してみましょう。

紙媒体の場合

文字数を詰め込んでレターが長くなってもコストが変わらない場合がほとんどであるweb媒体と違い、紙面の大きさが決まっているチラシやDMの場合は、当然ですが文字数に限界があります。

また、限界ギリギリまで文字をビッシリ敷き詰めるのも得策とは言えません。興味を引くために大きく目立つキャッチコピーを置くなどデザイン上の都合もありますし、後述しますが視認性も悪くなってしまうからです。

基本的にweb媒体よりもコストが増える紙媒体をわざわざ選ぶということは、webに慣れていない高齢者に向けたレターであることも多いでしょう。その場合は特に、老眼に合わせて文字サイズや行間を大きめにしてあげないといけません。すると結果的に文字数も少なくなりがちです。

やはり文字数ありきで考えるよりも、web媒体と同様に状況やオファーを考えて「必要な情報を過不足なく盛り込んだか」という考えを持ちましょう。

そして紙面スペースが足りなくなってしまったのであれば、チラシであれば紙のサイズを大きくするとか、DMであればセールスレターと申込用紙を分けるといった紙の枚数を増やす策を考えていきましょう。

文字数だけでなく視認性も考えよう

全体の文字数だけでなく視認性、つまり読者の読みやすさにも注意しましょう。長くなりがちなセールスレターだけに、読者がなるべく疲れないように配慮してあげる必要があります。

特に、改行に気を付けてください。視線の横の動きを何度も繰り返すことによって、読者は目の疲れを蓄積させていくからです。

PCで読むことを前提としたレターなら長くても30~40文字程度で一度改行してあげると良いでしょう。スマホでの読者を想定しているのであれば画面はさらに小さくなりますから、20~25文字程度での改行をお勧めします。

まとめ

コピーライティングにおける文字数の考え方についてお伝えして参りました。何かしら参考になる情報はあったでしょうか?

文字数とはあくまでも表面的な要素です。「セールスレターだから〇文字!」「ランディングページだから〇文字!」と決めつけるのではなく、あなたの商品の状況に応じて柔軟に考えるようにしてください。

もっと本質的な、人間心理やコピーライティング全般について学んでいくことで、文字数についての理解も進むはずです。

当サイトの無料メールマガジンで、一流コピーライターからそういった本質的な内容を学ぶことができます。ぜひ登録してみてください。

ABOUTこの記事をかいた人

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ゼロイチ㍿ 代表┃一般社団法人日本セールスプロモーター協会 代表理事┃YouTube6.4万人┃ゼロ起業副業アカデミー運営┃法人2社経営┃中卒→累計20億┃