あなたは、一度書きあげた文章に満足していませんか?コピーライティングをするうえで、推敲(すいこう)は必須の作業です。推敲をしなければ、より多くの人にあなたの書いた文章を見てもらうことはできません。文章を書いたあとには、しっかり推敲を行うことで最終的な反応率が大きく変わってきます。
そこで本記事では、以下について詳しくお伝えします。
- 推敲の意味・重要性
- 「推敲」と「校正」の違い
- 推敲するときの5つのポイント
この記事を読み、実践するのとしないのでは、あなたのコピーへの反応率に歴然の差が生まれることは間違いありません。より良い文章を書くためにも、ぜひ本記事を参考にしてみてください。
推敲(すいこう)とは
推敲とは、文章をより良いものにしようと吟味し、何度も練り直すことです。つまり、一度自分で書いた文章を見直して編集することだと考えてください。以下に、推敲について詳しくお伝えします。
推敲はコピーライティングで必須の作業
推敲は、コピーライティングで必須の作業です。そもそも、一度書いたコンテンツから良いものは生まれないからです。一度書いてOKということはほとんどありません。
一度書いた文章を見返してみると、いくら注意しながら書いていたとしても、必ず誤字脱字や意味がわかりにくい部分があるはずです。誰しも、間違いが多く意味がわかりにくい文章を最後まで読みたいと思わないですよね。よって、推敲はコピーライティングで必須の作業になります。
また、推敲はただ文章の誤りを正すことではありません。前述したように、推敲は「文章をより良いものにしようとし、何度も練り直すこと」です。場合によっては、最初から文章を書きなおすこともある、ということを覚えておきましょう。
良いコンテンツを作るには、何度も見直してより良いものに仕上げていく作業が必須です。そのためにも、コピーライティングと推敲はセットで行うものだと思ってください。
正解がない
コピーライティングには正解がありません。いくら推敲して良いコンテンツを書けたと思っても、100%ということはほぼあり得ません。
なぜなら、読み手の理解度は数字で測ることができないからです。理解度というのは、あくまでも感覚的なものであり、経験を通して身につけていくものです。
たとえば、有名画家「ピカソ」が描く絵を見た場合、人それぞれ感じ方が違います。ある人は「色鮮やかでキレイ、心に響く」またある人は「全然何を描いているかわからない」というようにそれぞれ感じ方が違います。コピーライティングも同じように、読む人の感覚によって感じ方が変わるので正解がありません。
ただ、正解がないとは言ってもコピーライティングは人を動かすための文章です。推敲して相手の心に響く完成度の高い文章を作ることが絶対条件と言えます。
推敲と校正の違い
「推敲」について調べていると良く出てくるのが「校正」という言葉です。「推敲」と「校正」は何が違うのでしょうか。この項ではそれぞれの意味について詳しくお伝えします。
推敲(すいこう)
推敲とは、前述したとおり、文章をより良いものにしようと吟味し、何度も練り直すことです。つまり、「読み手にとって最適な文章は何か」ということを苦心しながら追及していく作業のことを言います。推敲した文章の例として、わかりやすい例文があるので、以下に引用します。
〈推敲前〉
企業で最も大切な事として、コンプライアンスとCSRが良く取り上げられる。其のひとつに、個人情報の取り扱いについても上げられる。膨大な量の個人情報の作業を取り扱う熟達したエキスパートであっても、作業手順書に従わない勝手な判断での作業は危険である。
〈推敲例〉
企業でもっとも大切なことに、コンプライアンスとCSR(企業の社会的責任)がよく取り上げられる。個人情報の取り扱いもそのひとつである。膨大な量の個人情報を取り扱うエキスパートでも、マニュアルにない作業は危険である。
推敲前の文は122文字。推敲後は106文字。約1.3割の文字量削減です。思い切って削除した部分もあります。読み手の頭に入りやすくなるよう、できるだけスリムにスッキリとした文章にしたいものです。
上記の例のように推敲は、文章を簡潔にしたり読み手が読みやすいように自然な流れに変更したりすることで、より文章の精度を上げていくことです。
校正
校正とは、文章の誤字・脱字など、種々の誤りを見つけ修正することです。推敲との大きな違いは、文章全体の構成を変更するということはせず、あくまでも現状の文章の誤りを見つけて修正するという点です。
校正についても、わかりやすい例文が紹介されているサイトを以下に引用します。
〈校正前〉
あるサラリーマンの佐藤は、今日ももくもくと働いていたが、突然部長に呼ばれた。部長はいきなり佐藤に怒鳴りつけた!
おまえは、なぜ成績が上がらんのだ!
その怒鳴り声を聞いて佐藤は愕然とした!
〈校正例〉
あるサラリーマンの佐藤は、今日も黙々と働いていたが、突然部長に呼びだされた。部長はいきなり佐藤を怒鳴りつけた!
おまえは、なぜ成績が上がらんのだ!
その怒鳴り声を聞いて佐藤は愕然とした!
このように、「推敲」と「校正」は文章を良くするという点では一緒ですが、実際の作業や目的が異なります。通常、「推敲」を行ったあとに「校正」を行うのが一般的です。
推敲するときの5つのポイント
1.時間を空ける
ポイント1つ目は「時間を空けること」です。書いた直後は、まだ文章の記憶が頭に残っているため、読み飛ばしやすいからです。また、疲労感もあるため、ミスに気付けないことも考えられます。
仕事や運動などで疲れ切っているときに、脳をフル回転させるのは難しいですよね。また、文章を書いているときは熱中しているため、どうしても自分目線で文章を書いてしまいがちになります。よって、時間を空けることで脳をリフレッシュさせ、自分の文章を客観的に見ることができます。
できれば1日空けたほうが良いです。時間が無い場合は、最低でも2~3時間は空けるようにしましょう。
2.声に出して読んでみる
2つ目は、実際に声に出して読んでみることです。目で追って読むだけでは、一字一句確認することが難しいからです。声に出して読むことで、書かれているすべての文字を確認していくことができます。そのため、間違いを見つけやすくなります。
外出先などで、声に出して読めない場合は、音声読み上げソフトを使うと便利です。機械に読み上げてもらうことで、他人に読んでもらうのと同じ効果が得られるため、間違いを見つけやすくなります。推敲の際は、ぜひ使ってみてください。
以下に音声読み上げソフトの紹介をします。PCの種類によって、アプリケーションが異なるのでご注意ください。
- Windowsの場合 ⇒ SofTalk
- Macの場合 ⇒ OS文章読み上げ機能
3.誤字・脱字チェック
3つ目は誤字・脱字チェックです。言うまでもなく、こちらは必須の作業になります。誤字・脱字が多いと読みづらいうえ、読者からの信頼性を失うことになり兼ねません。
たとえば、あなたは調べたいことがあり、やっとたどり着いたコンテンツが誤字・脱字だらけだったらどう思うでしょうか。おそらく、そのコンテンツを書いた人に対し「最終チェックが甘い人」「ミスが多そう」と思うのではないでしょうか。人は、ミスが多い人から学びたいとは思いません。
よって、そのコンテンツを書いた人の他の記事も読みたいという気持ちは半減するでしょう。これではいくら有益なコンテンツを書いてとしても、読者はついてくれません。誤字・脱字チェックは必ず行うようにしてください。
誤字・脱字をチェックするにはツールを使うことをおススメします。ツールと目視両方でチェックすることにより、間違いを見つけやすくなります。以下にツールを紹介しますので、参考にしてみてください。
4.テーマ(題名)と関係のない話になっていないか
4つ目は、テーマ(題名)とズレた文章になっていないかどうか確認することです。長い文章を書いていると、つい話がそれてしまいがちになります。
たとえば、「セールスコピーライターの仕事の取り方」というテーマで文章を書いているのに、中身を読んでみたら「セールスコピーライターの仕事内容」について詳しく書かれていた、ということは絶対に無いようにしましょう。
読み手は、題名を見てそのコンテンツをみるかどうか判断します。せっかく欲しい情報が得られると思ってクリックしたのに、欲しい情報が書かれていなかったらどうなるでしょうか。おそらく、そのコンテンツは最後まで読まれることはないでしょう。
苦労して書いた文章が全く意味の無いものにならないためにも、推敲時には、テーマ(題名)に沿って書かれているかどうか必ずチェックするようにしてください。
5.読みやすい文章になっているか
5つ目は、読みやすい文章になっているかどうか確認することです。読みやすい文章にするには、以下の6つのことに注意してみてください。
- 1文を短くする
- 専門用語を使わない
- 同じ言葉・文末の連続に注意する
- 文体のチェック
- すべて漢字変換しない
- 話言葉や考え、言葉の定義は「」を使う
以下に、それぞれ詳しく説明していきます。
1.1文を短くする
1文の中に「、(とうてん)」や「接続詞」を繰り返し使っていないでしょうか。1文が長い文章は、意味が伝わりにくいうえ、非常に読みづらいです。以下の例をご覧ください。
例)
- 私はセールスコピーライターになりたいですが、勉強の仕方がよくわらないので、まずはセールスコピーについて学べる本を買って勉強したいと思います。
- 私はセールスコピーライターになりたいですが、勉強の仕方がよくわかりません。まずはセールスコピーについて学べる本を買って勉強したいと思います。
上記の例を見比べてみると、下の文のほうがわかりやすいですよね。1文に入れる情報量はなるべく少なくしたほうが、意味が伝わりやすいです。
1文を短くするには「。(くてん)」をつけ、文章を簡潔にまとめることが大切です。1文の中に「~したが、~ので、~だから、~して、」というような接続詞が繰り返し使われている場合は、短くできると考えましょう。
2.専門用語を使わない
文章の中に、専門用語はなるべく使わないようにしましょう。専門用語が多く使われていると、読み手は意味がわからず最後まで読む気が無くなってしまいます。また、知識をひけらかしていると思われ、読み手に不快な印象を与え兼ねません。
たとえば、マーケティングを勉強していると「ペルソナ」という言葉が良く出てきます。しかし、マーケティングの勉強をしたことが無い人にとっては、この言葉を初めて聞く人も多いでしょう。
よって、文章の中に「ペルソナ」という言葉がたくさん出てくると、読み手は意味がわからず、途中で読むことをやめる可能性が非常に高くなってしまいます。
本当の知性というのは、誰もが知っている言葉を組み合わせて伝えられるようにすることです。「どうすればわかりやすく伝えられるのか」ということをよく考えて文章を作るようにしましょう。どうしても専門用語を使いたい場合は、必ずその言葉の意味をわかりやすく説明するようにしてください。
3.同じ言葉・文末の連続に注意する
同じ言葉・文末の連続には注意しましょう。読者に幼稚な印象を与えるうえ、文章のリズムまで狂ってしまいます。以下に例を出します。
例)
- 私の仕事はセールスコピーを書く仕事です。技術を磨くため、毎日勉強の日々です。勉強は大変ですが、とてもやりがいのある仕事です。
- 私の仕事はセールスコピーライターです。技術を磨くため、毎日勉強に励んでいます。勉強は大変ですが、とてもやりがいがあります。
①では、短い文章の中で「仕事」という言葉が3回、そして同じ文末の「です」が3回連続しています。これでは、読み手にしつこい印象を与えてしまいます。また、文末表現の連続は、小学生の作文のような幼稚な文章と思われ兼ねません。
②では、「仕事」という言葉を1回に減らし、文末表現は連続しないようにしています。これだと、スマートで読みやすい文章になりますよね。
文章を書く際には、なるべく無駄をなくすことで読み手に伝わりやすくなります。また、読み手に幼稚な印象を与えないためにも、文末の連続は2回までにしておきましょう。
4.文体のチェック
文体とは、文章のスタイルのことです。文体をチェックすることで、文章に統一感があるかどうか確かめることができます。
たとえば、文末が「~だ、~である」と終わる口語体の文章のことを「常体(じょうたい)」、「~です、~ます」で終わる丁寧な文章のことを「敬体(けいたい)」と言います。文末の形態は、入り混じらないようにすることが大切です。なぜなら、読み手が読みづらくなってしまうからです。
例)
- 私の趣味は、読書をすることだ。休みの日にはいつも図書館に行き、本を読んでいます。今月は、5冊読むことが目標だ。
- 私の趣味は、読書をすることです。休みの日にはいつも図書館へ行き、本を読んでいます。今月は、5冊読むことを目標にしています。
①と②を比べてみると、②のほうがテンポよく読めますよね。また、文末の形態によって読み手の文章への感じ方も変わるため、バラバラと表現が変わってしまうと読み手が混乱してしまいます。
読み手に混乱を起こさないためにも、文体は必ずチェックするようにしましょう。基本的には、「~です、~ます」の表現のほうが丁寧で、初めて読んでくれる方にも違和感のない文体だと言えるでしょう。
5.すべて漢字変換しない
文章を書くときは、すべて漢字変換しないようにしましょう。そうすることで、読み手にスラスラと文章を読んでもらうことができます。
例)
- この商品は、沢山の方に使われています。是非一度お試し下さい。
- この商品は、たくさんの方に使われています。ぜひ一度お試しください。
②では、誰もがわかる漢字であっても、あえて漢字変換していません。漢字が多いと読み手が疲れてしまうからです。漢字とひらがなをバランスよく使うことで、読みやすい文章にすることができます。
ただでさえ、WEB画面やセールスレターは文字が多いです。読者にスラスラと読み進めてもらうためにも、あえて漢字変換しないようにすることが読みやすくする秘訣です。
6.話言葉や考え、言葉の定義は「」を使う
話言葉や考え、言葉の定義のように強調したい部分には、「」(かぎかっこ)を使うようにしましょう。「」を使うことで、文章が読みやすくなります。
例1)
- 学校の先生が、明日までに宿題を提出してくださいと言った。
- 学校の先生が、「明日までに宿題を提出してください」と言った。
例2)
- このままだと、一生貧乏のままなのだろうか?と不安になる。
- このままだと「一生貧乏のままなのだろうか?」と不安になる。
例を見ていただくとわかるように、「」を使ったほうがよりわかりやすい文章になっていますよね。また、「」の部分は視覚的に目立つので、読者の目を引きやすいです。
たくさんの方に読んでもらうためにも、文章を書く際には、「」でくくれる部分はないかどうかもチェックするようにしましょう。
以上が、推敲するときの5つのポイントになります。上記で説明した内容は、チェックリストを作成し、推敲時にチェックするのがおススメです。
まとめ
本記事では、コピーライティングで必須の作業である「推敲」についてお伝えしました。繰り返しになりますが、重要なので再度お伝えします。
一度書いただけの文章から良いものは生まれません。必ず修正するところがあります。推敲していない文章から多くの反応を得ることは絶対にできません。「読み手にとって最適な文章は何か」について頭を悩ませ、突きつめて考えることで良い文章が生まれるのです。
多くの人から読まれ、反応率の良い文章を書くためにも、推敲作業は必ず行うようにしましょう。
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