ヴェブレン効果とは? 高額商品が欲しくなる心理効果について解説!

『ヴェブレン効果』とは、「商品やサービスの価格が高いとその価値も高いと思うこと」です。

一般的には値段が安い方がよく売れると考えられていますが、特定の分野や一部の商品・サービスにおいては値段が高い方が売れることもあるのです。

この記事では、ヴェブレン効果の由来や事例、ビジネスへ応用する方法についてお伝えします。

ヴェブレン効果の由来

この心理効果の元となる考え方はアメリカの経済学者ソースティン・ヴェブレンが、著書『有閑階級の理論』(1899年)の中で取り上げた人間の消費行動になります。不労所得などで暮らしているお金持ちが「目立つため」「見せびらかすため」に高額な商品を購入する現象として書かれました。

19世紀末のアメリカのお金持ちは、自分の富や権力を見せつけるためにあえて大邸宅を建築したり、豪華な宝飾品を身につけたりしていました。当時はそうすることで他の人から評価され、自分の地位を他人にわかってもらえるという『価値』があったからです。

お金持ち以外の消費者が「生きるために買う」だけでなく「上流階級を見習って買う」ようになるにつれて、世の中の一般論が下のように変化してゆきました。

  1. 他人に見られても恥ずかしくない良いモノが欲しい。
  2. (詳しくはわからないが、)良いモノは値段が高い。
  3. 値段が高いのだから価値があるに違いない。

人間は面倒くさがり屋で楽に考えたい動物です。

そのため、自分が良くわかる分野であれば品質を吟味した上で適切な値段のモノを買えます。しかし、自分の中に評価基準がない場合は、価格だけを見て「価格が高ければ価値も高い」と判断する傾向が見られます。

その後、アメリカの経済学者ハーヴェイ・ライベンシュタインが1950年の論文『消費者需要理論におけるバンドワゴン効果、スノッブ効果、及びヴェブレン効果』の中で説明し、この心理効果を『ヴェブレン効果』と名付けました。

ヴェブレン効果の事例

『メルセデス・マイバッハ』という車の名前を聞いたことがありますか?

超高級車と言われる種類のドイツの自動車なのですが、価格は2,200万円~ で、最高級モデルの価格は8,800万円もします(2019年7月現在)。「こんなに高い車を買う人いるのか!?」と思うかもしれませんが、普通に中古車が流通しているので、新車を買った人がいるはずです。

自動車の本来の目的は「天候に左右されずに人や物を目的地に運ぶこと」です。この目的達成で良いならば、80万円の軽自動車でも十分でしょう。

ただし人の欲は止まらないことが多いので、目的地に移動できることが当たり前になると「乗り心地をよくしたい」「音楽が聞きたい」「目的地を案内して欲しい」・・・・・・と、車への要望が増えて行きます。

中には技術的な要望だけでなく「高級な車を買えることを見せたい」「すごい外国車を持っていると思われたい」という、自己顕示的な欲求も生まれてきます。これは「みせびらかす」ための欲求なので、ヴェブレン氏が最初に言っていたお金持ちの行動に近い心理現象です。

とは言え、高級車の機能と価格はわかりにくいかもしれません。1,000万円のレクサス(トヨタの高級車ブランド)と2,200万円のマイバッハを比較した場合、確かにマイバッハが優れているのでしょう。しかし、その優れている内容が「1,200万円の差がある」と全ての人が言えるでしょうか?

ここにヴェブレン効果があらわれます。「マイバッハは高くて当然」「高額だから優れているに違いない」という心理状態を引き起こすのです。

もちろん、ただ高ければよいのではありません。「高級車を作り続けてきた」「長い歴史のある車」というブランドイメージが確立されているからこそ、高くてもそれを皆が納得して購入してくれるのです。

自動車だけでなく、ファッションブランドでもこのような傾向が見られます。

つまり、高額な商品を売るだけでなく「大衆に高級であると広く知られること」をブランド戦略として宣伝しているのです。そのため、多くの高級ブランドでは『高級なイメージ』を維持するために、ほとんど安売りをしません。

ビジネスに応用する方法

この心理効果を使うことで「値段が高ければよいものだと考えられ、売上に結びつく」ようになります。しかし、一般的な市場理論は「安ければ売れる」なので、基本的には正反対の消費行動です。上の事例でも取り上げましたが、ただ高いだけではだめです。ブランドイメージのような理由づけが必要になります。

この理由づけについて、少し細かく見てみましょう。

デザインを向上させる

バルミューダのトースターやダイソンの掃除機は一般的な商品よりも明らかに高額です。

それでも売れるのは、機能的に優れている以外に部屋に置きたくなる『格好良さ』があるからでしょう。それを証明するように、バルミューダやダイソンは過去にグッドデザイン賞を受賞しています。

高品質だと言われる

『クルーズトレイン』を知っていますか?

『瑞風(みずかぜ)』や『ななつ星』などの観光に特化した豪華寝台列車のことです。提供される料理は有名シェフが監修し、列車の車内を楽しめるぜいたくなインテリアになっています。通常の特急や飛行機の料金と比べても明らかに高額ですが、いつも予約申し込みが殺到し抽選になるくらいの人気列車です。

ミシュランガイドの三つ星レストランも『格付けがある = 質が良い』という理由で、高額であっても来店者数が増加しています。

入手困難な時に提供する

番組名を忘れてしまいましたが、真冬にスイカ割りをしているテレビ番組を見たことがあります。

スイカ割りの企画なのに「借りてきただけだから!割ったら1万円だから!」と、出演者はくり返し言っていました(結局、最後には割って食べていましたが・・・・・・)。「夏なら1000円前後のスイカも、冬なら1万円か!」とビックリした記憶があります。

もちろん、冬場に気温を上げなくてはいけないので育てるまでの光熱費が膨大になっています。しかし、このように手に入れづらいものであれば『非日常』と『サプライズ』が演出できるため、高価格であっても納得してもらいやすいのです。

価格を上回る価値をつくる

2019年1月5日、東京都中央卸売市場で行われたマグロの初ぜりで1匹に3億3,360万円の値段がつきました。1匹の魚に3億円の値段がついた例は、人類史上初めてです。

普通に考えれば、「そんな高値でマグロを食べる人はいない」と思います。しかし、この価格には『ニュースになる』という別の価値があるのです。さすがに3億円は高過ぎるかもしれませんが、『すしざんまい』の経営者さんは今までの経験から「話題になることで集客につなげられる」と考えて、競り落としたのでしょう。

このように「価格を上回る価値がある」と思ってもらえれば、価格を上げてもお客さんはついてきます。

ただしあなたの商品・サービスを初めて見る人に、ただ高額な値段を提示しただけでは購入しないでしょう。「価値がある」と信頼してもらえるだけの実績や評判、歴史などが必要になってきます。

他の効果との関連

この記事の初めに、この心理効果は『消費者需要理論におけるバンドワゴン効果、スノッブ効果、及びヴェブレン効果』という論文で名づけられたとお伝えしました。ここに書いてある他の効果も気になっているかもしれないので、他の効果の簡単な説明とヴェブレン効果との関係についてご紹介します。

バンドワゴン効果

「他の人が使っているものを自分も使いたい」と思うのがバンドワゴン効果です。

品質が良くても値段が高くなると購入する人が少なくなるため、『ヴェブレン効果』とは組み合わせづらいと思われがちです。しかし、有名人が高級ブランドを宣伝することにより「私もあの人と同じものを使いたい」「あの人が愛用しているなら私も欲しい」と、ファン層による売上アップが見られる例もあります。

スノッブ効果

バンドワゴン効果とは反対に、「珍しいものを手に入れたい」と思うのがスノッブ効果です。

高額であることは「持っている人が少ない」ことにつながるため、『ヴェブレン効果』と組み合わせやすい心理効果です。『ここでしか手に入れられない』『今しか買えない』などの『限定性』『希少性』を押し出すことで、高額の理由づけとすることができます。

注意点

『ヴェブレン効果』をビジネスに応用する時に、1つだけ注意点があります。

当たり前だと思うかもしれませんが「商品・サービスの価値や機能も高くする」ということです。価格が高いため、良い商品・サービスだと思ってもらいやすいのですが、あまりにも価格とかけ離れた品質だった場合、お客さんの不満が大きくなってしまいます。

不満を抱えたお客さんに「詐欺だ、粗悪品だ!」と言われてしまったら、ビジネスとしては長続きできないでしょう。

まとめ

今回の記事では「高額なものは良いものだ」と思う『ヴェブレン効果』についてお伝えしました。内容を簡単にまとめるとこのようになります。

  1. 「高価なものを所有することで評価される」背景がある。
  2. 『ヴェブレン効果』はブランド品など、世間一般の評価が高いものと相性が良い。
  3. 値段を上げるなら、その理由づけが必須。

ライバルとの価格争いに巻き込まれないように、あなたの商品・サービスならではの『高級路線』を考えてみてはどうでしょうか?

このサイトでは『ヴェブレン効果』のような心理現象を上手に活用したスキル(セールスコピーライティング)についてお伝えしています。『文章を読んだ人を動かす』セールスコピーライティングは、商品・サービスの売上アップやお客さんを集めるときに役立つので、ビジネスを活気づかせるために特に重要なスキルとなります。

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ABOUTこの記事をかいた人

清水龍

兵庫県在住のセールスコピーライター。環境関連のコンサルティング会社に入った事がきっかけで、提案内容を人に伝える方法や分かりやすい文章の書き方におもしろさを感じるようになる。多忙をきわめる仕事の中、ライフスタイルの見直しを模索中にセールスコピーライターという職業を知った。「文章術で人に役立つことをしたい」気持ちが強くなり、一流のセールスコピーライターになることを決意。サイト運営者である大山さんの元でコピーライティングの指導を受け、奮闘中である。