対面営業においては、最初に挨拶や自己紹介をするのは当たり前です。
しかし、セールスレターではどうなのでしょうか? 販売者の挨拶や自己紹介をどう書けばいいか迷っていませんか?
対面営業と同様に、セールスレター冒頭から挨拶や自己紹介を始めようとしてしまう方も少なくありません。しかし結論から言うと、挨拶も自己紹介も、書くとすれば中盤以降にしてください。冒頭に書いてはいけません。
この記事では、以下のような内容についてお話していきます。
- 挨拶や自己紹介を書くタイミング
- 挨拶や自己紹介は何のために書くのか
- 冒頭から挨拶や自己紹介をしてはいけない理由
- 挨拶や自己紹介はどのように書くべきか
こういった本質的なことを理解していなければ、販売者が自信を持って書いた渾身の挨拶や自己紹介が、逆にセールスレターの反応率を下げてしまうということにもなりかねません。
もしあなたが「なんとなく挨拶も自己紹介もあったほうが良さそうだから」という曖昧な理由で書こうとしていたのであれば、正しい理解を持つために記事をお読みください。
挨拶や自己紹介を書くのは後回し
セールスレターの冒頭を挨拶や自己紹介から始めてしまうというケースは、特にコピーライティング初心者の方にありがちです。
しかし、それは大きな間違いです。挨拶や自己紹介は書くとしても冒頭ではなく、中盤以降が望ましいと言えます。
その理由をお伝えしていきましょう。
挨拶や自己紹介は、信用してもらうために書くもの
ライティングで読者の行動を誘導したい際には、読者の3つの心理的ハードルを越える必要があります。
- 読まない(Not Read)
- 信じない(Not Believe)
- 行動しない(Not Act)
これらの3種のものであり、「3つの壁」「3つのNot」などとも呼ばれます。コピーライティングの知識、技術というものは全て、これらの心理的ハードルを順番に越えるために存在するものと言えます。
では挨拶や自己紹介を書くとすればどのハードルを越えるための手段になりそうかを考えてみると、「2.信じない(Not Believe)」となるでしょう。
顧客の問題提起をしたり、その問題を解決できる商品などを紹介したりした後に、読者に「誰がこんな話をしているのか」「この話は信用していいのか」という疑問が浮かび始めたところで、話を信用してもらうために書くものとなります。
レターの冒頭は読んでもらうことに注力
3種の心理的ハードルは順番に越えていく必要があります。つまり、レターの冒頭で取り組むべきは「読まない」を越えることです。その先でどんなに素晴らしいコピーがあっても、まず読み始めてもらえなければ全く意味が無いからです。
「読まない」を越えるために必要なのは、読者の興味を強烈に惹き付けるような刺激的なキャッチコピーや、スムーズに本文を読んでもらうためのリードコピーとなります。
セールスレターは「セールスマンシップ・イン・プリント(紙上のセールスマン)」と呼ばれ、セールスマンのセールストークを紙上に起こしたものと言われています。しかし、対面でのセールスと違い、「相手に一瞬でも退屈を感じさせてしまうとすぐに読むのを止められてしまう」というデメリットがあるのです。
冒頭の段階では、読者はまだ商品にも販売者であるあなたにも全く興味を持っていません。そのような段階で形式的な挨拶やあなたの自己紹介をしてしまうことは、読者に退屈を感じさせ、離脱率を大幅に上げてしまうことにも繋がります。
よって、挨拶や自己紹介を書くのだとすれば、読者の興味をしっかり掻き立てた後の中盤以降でお考えください。
あまり書きすぎないように
セールスレターはあくまで商品を売るためのレターであり、主役は商品です。あなたのプロフィールを長々と書く必要はありません。読者に信用してもらえるための最低限の情報だけでいいのです。
挨拶も軽くでOK
手紙の挨拶と聞くと、「皆様におかれましては益々のご清祥のこととお慶び申し上げます」といったような堅苦しいものを想像してしまうかもしれませんが、セールスレターには不適当です。
セールスレターはあくまでセールストークを文字にしたもの、つまり「話し言葉で書く」というのが基本だからです。堅苦しい「書き言葉」では読者の心にまで届けることができません。
挨拶を書くのであれば、自己紹介の前に簡単に「こんにちは」「はじめまして」程度で良いでしょう。もちろん、無くても問題ありません。
関係構築やブランディングはセールスレター以前に
あなたのプロフィールや性格をアピールしてお客さんとの信頼関係構築やブランディングを狙うのは、セールスレターではなく日々のニュースレターやメルマガ、SNSなどで行うべきです。
信頼関係構築やブランディングには時間がかかるため、一度しか読まれない可能性が高いセールスレター上でいくらアピールをしても意味がありません。
信頼関係構築をしなければ売れない商品なのであれば、ステップメールなどをしっかり組んで、きちんと関係を作ってからセールスレターを見せていってください。
また、当然セールスレターを見せる以前の段階でしっかりあなたのプロフィールが読者に浸透しているのであれば、わざわざセールスレター上に書く必要も無いとも考えられます。
特に、リピーター向けのバックエンド商品であれば読者はあなたのことをすでによく知っているはずですから、尚更でしょう。
販売者のキャラクターを押して売りたいなら
ただ、もしも商品販売者をキャラクターとして前面に押し出して売っていくようなコンセプトなのであれば、その人についてのアピールに沢山の文字数を割くのは効果があります。
いくつか例となるレターを挙げますので、見ていただければ雰囲気が掴めるかと思います。
効果がある一方でリスクもあります。
販売者のキャラクターを押したプロモーションで買ってしまうお客さんというのは、商品の品質を冷静に、合理的に考えられるような人ではない可能性が高いです。
冷静に考えれば、「その商品を作った人がどれだけすごいか」と「その商品の品質がどれだけすごいか」に直接的な関係は無いはずです。
「こんなにすごい人が作った商品なら買ってみよう!」という思考は依存的なお客さん、被害者意識の強いお客さんによく見られるため、お客さんの質が下がる可能性が高まります。
特に、キャラクターを神格化させればさせるほど、煽れば煽るほどその傾向は強まるでしょう。クレームや返金申請が増え、悪評が広がることにもご注意ください。
ストーリー仕立ての自己紹介の書き方
ではここからは、自己紹介によくあるストーリー仕立てのパターンをご紹介します。英語教材を販売するという設定の具体例も同時に記載していきます。
平凡な日常
生い立ちなどの基本的なプロフィールや、販売する商品に関連する出来事の以前の状態を伝えていきます。
冒険に出発
何かをキッカケとして、平凡な日常からスリリングな冒険の旅に出ていきます。
試練に遭遇し挫折
冒険の中で難易度の高い試練に遭遇し、失敗して挫折します。読者に共感してもらえるように悲壮感を出し、試練をクリアできた現在のあなたとの大きなギャップを生むと良いでしょう。
例:何のアテもなく初めての海外旅行であるオーストラリアへ出発するも、現地では全く会話のスピードについていけず。
会話の内容もわからないまま、他の人が笑ったタイミングで愛想笑いをすることしかできず、悔しい日々を過ごしただけで涙ながらに帰国。
打開策と出会い、試練を突破
師匠や仲間、それまで知らなかった新しい情報など、試練をクリアする打開策と出会い、突破したことを語ります。
例:英会話の習得には何年もかかるという話も聞き国際結婚の夢も諦めかけるも、日本語ペラペラのイギリス人英語教師に偶然出会う。彼に英会話のコツを教えてもらったところ、たったの半年でネイティブとの会話がほぼ完璧に理解できるようになる。
さらにそこから1年半後、オーストラリア人女性と知り合い夢の国際結婚も成功。
使命、未来への展望
「一連のストーリーにより、あなたがどんな想いを込めてこの商品を販売しているのか」「この商品によって世の中をどう変えていきたいのか」といった、あなたの使命や未来への展望を伝えます。
まとめ
セールスレターにおける挨拶や自己紹介についてご説明しました。以上のように、書くとすればレターの冒頭に持ってくるのはやめておきましょう。読者が販売者であるあなたに興味を持ったと想定される段階で書くのがベストです。
また、お伝えしてきたように、挨拶も自己紹介もあまり重要ではない要素です。
対面営業でも考えてみてください。全く同じ商品を全く同じ価格、条件で売っている2人の営業マンがいれば、挨拶や自己紹介が魅力的な営業マンから買いたいと思うかもしれません。
しかし、「平凡な商品を平凡な価格で売る魅力的な営業マン」と「魅力的な商品を魅力的な価格で売る平凡な営業マン」であれば、後者のほうが売れるものです。
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