お客様に商品を販売するためには、ベネフィットが重要になります。それは、お客様が本当に求めているものは、商品ではなく商品(サービス)を購入することで得られる利益(ベネフィット)だからです。
よって、セールスコピーにベネフィットが抜けていれば、商品の魅力が伝わらないので反応率をあげることはできません。
- ベネフィットという言葉はよく聞くけど、必要性がいまいちよくわからない。
- ベネフィットはどうやって見つければいいの?
- ベネフィットをセールスコピーライティングに落とし込む方法が知りたい。
もし、あなたがこのように思っているのならばこの記事がお役に立つでしょう。ベネフィットとは何かを理解して、セールスコピーライティングに活用するための方法を知ることができます。
ベネフィットとは?
はじめに「そもそもベネフィットとは何か?」について明らかにしていきましょう。
ベネフィットとは直訳すると「利益」です。わかりやすく言うと「商品によってもたらされる恩恵」のことを指します。実は、人はこの恩恵に価値を感じて商品を購入しているのです。
このことについて詳しく解説していきます。
お客様は商品ではなく悩みを解決したい
お客様は「商品」そのものが欲しいわけではありません。自分の「悩み」を解決したいから「商品」を買っています。
この点をしっかり理解できていないため、多くのセールスコピーが全く商品の魅力が伝わらない文章になっているのです。
たとえば、「保険」という商品は形があるわけではありません。火災や事故など「思いもよらない事態が起きたらどうしよう」という不安を解決するために加入します。つまり「保険」に入ることによる安心感にお金を払っているのです。
このように、お客様が欲しいのは「悩み」の解決策であって「商品」そのものではありません。
ドリルではなく穴が欲しい
ベネフィットの有名な例えに「ドリルではなく、穴が欲しい」というものがあります。
ドリルそのものに愛着を持っている人でない限り、お客様は穴を開けるための手段としてドリルを購入しています。もしドリルを買わずに穴を開けられるのならば、わざわざドリルを買おうとはしないでしょう。
たとえば、持ち運び可能なサイズの木製の板に穴を開けたいとします。多くのホームセンターで木材の加工サービスを提供していますので、そちらを利用すればドリルは不要になります。
お客様はドリルという「商品」ではなく、ドリルによって開ける「穴」という「結果」が欲しいということを覚えておきましょう。
フィーチャー・アドバンテージ・ベネフィットを使う
お客様が欲しいのは「ドリル」ではなくて、「穴」です。つまりドリルを使った結果もたらされる恩恵(ベネフィット)を求めています。したがって、セールスコピーライターはこのベネフィットをセールスコピーとして伝えなくてはいけません。
ただ、最初からベネフィットがはっきりしている商品ばかりではありませんので、ベネフィットを探す必要が出てきます。
「ベネフィットを探す」と聞くと大変な作業に思えますが、簡単に導き出すことができる便利な公式があるので有効活用しましょう。
それは「フィーチャー」なので「アドバンテージ」だから「ベネフィット」という順番に書き出していく方法です。
順番に説明していきます。
STEP1フィーチャー
フィーチャーとは、特徴のことです。まずは商品の特徴をすべて書き出していきます。ここでは健康食品を例に取りあげます。
- 「DHA配合」
- 「3粒でレモン約53個分のビタミンC」
以上が商品の特徴です。まずは、商品の特徴をすべて書き出していくことからはじめます。
STEP2アドバンテージ
アドバンテージとは、効果や効能のことです。これは、STEP2で書き出したフィーチャー(特徴)に対して「なので~」の質問をすると導きだせます。
- 「DHA配合」なので「血液がサラサラになる」
- 「3粒でレモン約53個分のビタミンC」なので「肌に透明感が生まれる」
以上がアドバンテージです。
厳密には競合より優れている点がアドバンテージとなるのですが、わかりやすくするためここでは割愛します。
アドバンテージはフィーチャーに「なので~」の質問をすることで導きだせます
STEP3ベネフィット
ベネフィットとは、結果や変化のことです。これは、STEP2で導きだしたアドバンテージ(効果・効能)に対して「だから~」の質問をすることで導きだせます。
- 「DHA配合なので血液がサラサラになる」だから「集中力と記憶力が増して、受験に合格できる」
- 「3粒でレモン約53個分のビタミンCなので肌に透明感が生まれる」だから「自分に自信がついて、人間関係が良好になる」
このように「フィーチャー」なので「アドバンテージ」だから「ベネフィット」という3つのSTEPを踏むことで、商品のベネフィットを導き出すことができます。
メリットとベネフィットの違いを理解する
ベネフィット同様によく耳にする言葉に「メリット」があります。メリットとは利点や強みのことです。ここでは上述したアドバンテージとほぼ同じですが、正確には下記のような違いがあります。
アドバンテージは競合より優れている点であり、お客様に選ばれる理由(お客様目線)
メリットは商品の利点や強みそのもの(売り手目線)
そして、メリットとベネフィットの違いを理解したうえでコピーを書かないと、商品の魅力を伝えることができません。しっかりと理解していきましょう。
メリットばかりを伝えてはいけない
多くの商品は「血液がサラサラになる」「肌に透明感が生まれる」「よく眠れるようになる」などメリットだけを並べ立ててしまいがちです。
これは、お客様がすでにベネフィットを十分に理解している段階であれば、購入の後押しになるため効果的です。しかし、通常はメリットばかりを伝えるのはあまり良い方法ではありません。
仮にですが「出世する」というベネフィットを持つサプリメントがあるとします。このサプリのベネフィットに共感する人であれば、「血液がサラサラになる」「肌に透明感が生まれる」「よく眠れるようになる」というメリットを伝えることで商品の魅力は増していきます。
ですが、「出世するサプリ」だと知らないうちにメリットを並べ立てられてもピンと来ることはないでしょう。
恋愛でも、気になる人のことを知れば知るほど好きになる事はありますが、興味のない人の情報を伝えられても煩わしいだけです。
よって、ベネフィットに興味を持っていないお客様に、メリットばかりを伝えてしまうことには注意しましょう。
メリットはあくまでも商品を買う理由にはならない
前述したようにメリットは購入の後押しになりますが、商品を買う直接的な理由にはなりません。
「血液がサラサラになる」というのはあくまで商品の強みを伝えているだけですので、お客様は自分に何の役に立つのかがわからです。「血液がサラサラになるから何?」となってしまいます。
「よく眠れるようになる」というメリットは買う理由になります。これは、お客様がベネフィットを得るために必要なメリットを自覚しているために起こることです。
この場合でも本当に買う理由はすっきりとした気分を味わいたかったり、仕事の生産性を上げてもっと稼ぎたかったりします。
メリットは大事ですが、商品を買う理由にはなりません。お客様が求めているのはあくまで、メリットによってもたらされる恩恵です。
ベネフィットを伝えると魅力が伝わる
ベネフィットを伝えることによってはじめて商品の魅了が伝わります。それは、ベネフィットを認識することで、メリットも自分の悩みを解決してくれる大事な要素だと気づくからです。
たとえば、受験生に対して「DHA配合なので血液がサラサラになる」とだけ伝えてもピンときません。「集中力と記憶力が増して、受験に合格できる」というベネフィットまで伝えることで自分が求めていたものだと気づきます。そして、「DHA配合なので血液がサラサラになる」というメリットに対しても「なるほど」と納得するでしょう。
このようにベネフィットが伝わると、それまでは興味を示さなかったメリットの部分も含めて魅力として伝わるようになるのです。
ベネフィットライティングのポイント
ここまでの項目で、ベネフィットライティングについての全体像をお伝えしてきました。ただ、実際にセールスコピーを書くためには、より的確にベネフィットを絞り込まなければ、お客様に買っていただくことができません。
そこで、商品の魅力が伝わる文章にするためのベネフィットライティングのポイントについて解説していきます。
お客様の悩みを知る
ベネフィットはお客様がどんな悩みを持っているかによって変わります。よって、お客様の悩みを知ることからはじめましょう。
たとえば「DHA配合なので血液がサラサラになる」というメリットの場合、対象とするお客様が「受験生」と「冷え性に悩む女性」では全く違ったベネフィットになります。
受験生に対してのベネフィット
「集中力と記憶力が増して、受験に合格できる」
冷え性に悩んでいる女性に対してのベネフィット
「血行がよくなることで冷え性に煩わされなくなる」
このように、まずはお客様の悩みを知り、求めている未来に合わせたベネフィットをアピールすることが重要です。
長期的な悩みと短期的な悩みがある
人の悩みには長期的な悩みと、短期的な悩みがあります。したがって、ベネフィットも短期的ベネフィットと長期的ベネフィットの2つの視点から考えることができます。順番に例をあげます。
短期的な悩みとベネフィット
悩み:「冷え性なので冬場は特につらい」
ベネフィット:「飲めばすぐに血行がよくなり、冷え性に煩わされなくなる」
長期的な悩みとベネフィット
悩み:「歳をとるにつれて代謝が下がって、だんだん太ってきた」
ベネフィット:「飲み続けることで血行が改善され、基礎代謝が上がるので痩せやすい身体になる」
このように、悩みには長期的な悩みと短期的な悩みがあるため、ベネフィットも短期的ベネフィットと長期的ベネフィットの2つの視点から考えましょう。
お客様自身がベネフィットを自覚していない
お客様が商品のベネフィットを自覚しているとは限りません。よって、ベネフィットの説明をおろそかにすると商品の魅力が全く伝わらなくなってしまうので気をつけましょう。
たとえば、「このサプリを飲めば肌に透明感が生まれます」と聞かされて「なるほど。これを飲めば自信がついて、人間関係の悩みが解消できるな」と考えられるお客様はそう多くはないでしょう。
しっかりと「人間関係の悩みが解消できるサプリ」であることを伝えたうえで、「肌の透明感」について説明すると、自分が求めていたものを自覚させることができます。
お客様が商品のベネフィットを自覚していない場合があるので、ベネフィットはしっかり伝えるようにしましょう。
まとめ
ベネフィットとは「商品によってもたらされる恩恵」のことです。お客様は商品を買いたいわけではなく、「商品によって悩みを解決した未来」という恩恵に価値を感じてお金を払います。したがって、商品を販売するときにはベネフィットを伝えることが重要です。
商品のベネフィットを知るためにはまず、お客様の悩みを知ることからはじまります。そのうえでフィーチャー・アドバンテージ・ベネフィットのステップを得てベネフィットを導き出しましょう。
そして、お客様にもっとも適切なベネフィットを絞り込むことで、商品の魅力が伝わるセールスコピーにすることができます。
今回は、主にベネフィットライティングの方法論について解説しました。しかし、大切なのは、お客様と商品のことを誰よりも理解するという姿勢にあります。そのことを忘れず、素晴らしいセールスコピーが書けるよう頑張りましょう。
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