「ブランディング(ブランド)とはなんですか?」と聞かれて、その意味を率直に答えられる方は多くはないのではないでしょうか?
一般の方に聞いたとしたら、「エルメスやグッチなどの有名高級ブランドのこと」という答えも多くなることでしょう。
しかし残念ながらそうではなく、ブランドは決して世界的に有名ではない中小企業や個人事業主にとっても大切な概念となります。上手く使えれば売上の大幅アップに繋がることでしょう。
この記事では以下のような内容についてお話していきます。
- ブランディングとは?
- ブランディングのメリット
- ブランディングを狙う際の考え方
- コピーライティングによるブランディング
正しいブランディングの知識をつけていきましょう。
ブランディングとは?
まず最初に、曖昧な意味で使われてしまいがちなブランディング(ブランド)という単語の定義について確認していきましょう。
他社との区別と、ユーザーへの共通イメージ
ブランドは元々、牧場の所有主が自分の家畜などに焼印などで印をつけて、他人の家畜と区別ができるようにしていた行為が起源であると言われています。
そこから発展し、現代のビジネスシーンでは「他社と区別をすること」、そして「お客さんに共通のイメージを持たせること」を目的とした手法の総称をブランディングと呼びます。
「iPhoneやMacを作っているApple社について、どんなイメージを持っていますか?」と聞かれたら、多くの人は似たような答えになるのではないでしょうか?Apple製品のファンに聞けばなおさらです。
ブランディングに使われる要素
以下のような要素がブランディングのために検討され、設定されます。
- 名称
- ロゴ
- キャッチコピー
- ポジショニング
- 製品デザイン
「どのような名称やロゴが良いのか」というのはケースバイケースですが、ターゲットのニーズと「どんな社会を作りたいのか」「どういう想いで経営されている会社なのか」といった企業理念を元に考えることとなります。
ブランディングのメリット
では、ブランディングを設定し、お客さんに共通イメージを持ってもらうことにはどんなメリットがあるのかを、お客さん側と企業側の双方から見ていきましょう。
お客さんにとってのメリット
まず、「選ぶ」という手間が減ることが考えられます。現代は世の中に商品が溢れており、お客さんにとってはその膨大な選択肢の中から自分に合ったものを選ぶという行為がストレスになっています。
そのため「自分はこのブランドが好き」「このブランドの品質は信用できる」という確信的なイメージがあれば、購買までの検討に必要な時間やコストを削減することができるのです。
また、自分のお気に入りのブランドイメージの商品を身につけることによって、自分にそのブランドイメージを重ね合わせて自己表現の手段にできることも考えられます。
たとえば、フェラーリが欲しいと思っている人は、フェラーリの機能的価値というよりもフェラーリのブランドイメージを身に付けること、つまり「フェラーリオーナー」という肩書きが目的の人も多数いることでしょう。
企業にとってのメリット
お客さんがブランドのファンになってくれることによって、商品スペックの比較からではなく「この会社の商品だから」という理由で購入してくれるようになります。
スペックの差別化、たとえば他社にはない特徴という意味の「USP(Unique Selling Proposition)」などでは、いくら作ったとしても、そのUSPを他社に真似をされたら優位性は失われてしまうのです。
その点、ブランディングに成功するとお客さんは「この会社だから買う」となってくれるため関係ありません。
また、新商品販売前から既存顧客の購入が見込めるため、プロモーションにかける手間や費用も削減することができます。価格競争にも巻き込まれることはなく、価格を維持できるため長期的、安定的な利益の増加に繋がるでしょう。
さらに、「この会社だから」と安心するのはお客さんだけではありません。知名度アップとブランドイメージの浸透によって企業間での提携や採用なども有利となります。
ブランディングを狙う際の考え方
ブランディングを狙っていく際にはどのような考え方を持っていけばいいのかを解説していきます。
当てずっぽうでなんとなく、「カッコいいから」というイメージでブランディングをしようとするとまず失敗すると考えていいでしょう。
お金儲けではなく、信念、価値観、想いから
「なぜこの会社を経営しているのですか?」という問いに「お金が儲かるから」「ニーズがあったから」といった答えしか出せないようであれば、ブランディングという手法自体が合いません。
もちろんニーズがあること、お金を儲けることは非常に大切なことなのですが、「お金が儲かるからやってます」というだけの会社を、お客さんは好きにはなってくれないのです。
そうではなく、企業のビジョンや信念、価値観、想い、文化などを考える必要があります。
- なぜこの会社をやっているのか
- どんな会社にしていきたいのか
- 商品への思い入れ
- この会社でどう社会貢献していきたいのか
という想いを洗い出しましょう。
お客さんをどれだけ理解できているか
自社のお客さんのことをどれだけ理解できているかということも大切です。
立派な自社の理念やビジョンを立てたところで、お客さんの好みに合っておらず応援されなければ意味がありません。「こういうお客さんのこういう助けになりたい」という想いも、お客さんのリサーチから明確にしましょう。
また、既存のお客さんがあなたの会社に既に抱いているブランドイメージとかけ離れた施策を打ってしまっては、ブランドイメージの崩壊からお客さんを逃がすことにも繋がります。
コピーライティングによるブランディング
では改めて、コピーライティングによるブランディングについて考えていきましょう。
イメージコピーライティング
ブランディングのためのコピーライティングとなると、このサイトで主に扱っている「セールスコピーライティング」ではなく「イメージコピーライティング」の仕事といえます。
イメージコピーライティングとは、強い言葉や美しい言葉によって企業のブランドイメージを向上させたり、潜在顧客の注意を引きつけるためのキャッチコピーを作るためのものです。
一般的に「コピーライター」と言えばこちらを想定する方が多いのではないでしょうか。たとえば以下のようなものが有名です。
- セブンイレブン、いい気分(セブンイレブン)
- お、ねだん以上。ニトリ(ニトリ)
- そうだ 京都、行こう。(JR東海)
「〇日間〇〇をするだけで〇kg痩せた新しいダイエット」「明日までの限定価格です。お急ぎください!」というような、ベネフィットの訴求や行動の促進を行うセールスコピーライティングとは全く違うのがわかるでしょうか。
ただ、イメージコピーライティングによるブランディングはテレビや大規模な広告など基本的には大衆に向けたものであり、売上が数十億~数百億以上の大企業の戦略であるといえます。
キャッチコピーはシンプル&インパクト
キャッチコピーを作る際には閃きや芸術性も求められ、一概にどうすれば作れるかというのを説明するのは非常に難しいです。
しかし、その中でも念頭に置くべき重要な要素は、憶えてもらうためのシンプルさと、潜在顧客が思わず立ち止まるようなインパクトの両立です。
インパクトといっても、必ずしもカッコいいものとは限りません。
いくらカッコよくても伝わらなければ意味がありませんし、あなたの会社がお客さんから「ダサくて好き」と思われているのであれば、カッコいいキャッチコピーは逆効果です。ダサさが魅力なのであればとことんまでダサさを追求したほうが良いでしょう。
お客さんへの情報発信によるブランディング
以上、イメージコピーライティングによるブランディングは大企業向けの施策ということでお伝えしました。
もしあなたが個人や中小企業としてブランディングを狙っているのであれば、キャッチコピーよりもメルマガ、DM、メディアなど、お客さんへの情報発信によってブランドイメージを刷り込んでいきましょう。
キャラ設定を考える
現代では、世の中の情報のほとんどは既にインターネット上に存在しており、「普通のことを普通に発信しているだけ」では誰もファンにはなってくれません。ある程度ヒネりを加えたキャラクターを作っていく必要があるでしょう。
しかし、あまりに発信者とかけ離れた、無理して作ったキャラでやっていると苦しくなってしまいます。
派手な生活を自慢する情報起業家やキラキラ起業女子のようなキャラを作って演じたとしても、短期的な物欲に反応してしまう依存心の強いクレーマー気質のお客さんを引き寄せやすくなりますのでお勧めはできません。
ただ、基本的に情報発信というのはお客さんを教育するためのものですから、自信が無さそうにお客さんにへりくだるようなキャラでは、情報の信頼性を感じづらくなってしまいます。
お客さんを引っ張っていく「教師」や「同じ志のコミュニティリーダー」のようなイメージを基本としながら、発信者にとって無理がなく、また自社のお客さんに好かれそうなキャラを選ぶと良いでしょう。
たとえば、教師は教師でも以下のタイプはそれぞれ全く違うファンがつくはずです。
- 強い言葉でビシバシと指導するスパルタが基本ながら、稀に優しさを見せてくれる教師
- 生徒の手を取って優しくペースを合わせてくれる教師
- 斬新なギャグでいつも大笑いさせてくれる教師
- いつも親父ギャグでスベっているが、憎めない教師
キャラ設定と信念を一貫し、長期的に関わる
あとは作ったキャラ設定や信念の一貫性が大切です。
- キャラ設定により楽しませる
- 有用な情報発信によって信頼を高める
- 信念、価値観を発信して共感してもらう
- お客さんの予想を超えるクオリティの商品を提供する
これらの活動を一貫して行うことでどんどんブランドイメージが浸透し、「この人(会社)の情報は間違いない」「この人(会社)がお勧めしてくれる商品は全て買う」というお客さんが増えてくるのです。
まとめ
以上、ブランディングの概念の解説と、コピーライティングによるブランディングの確立について解説してきました。何かヒントになりそうなものはあったでしょうか?
これからの時代は更に商品、情報ともに選択肢が増えていき、クオリティでの差別が不可になっていくことが予想されます。そうなるとブランディングの価値も高まっていくと考えられるでしょう。
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