あなたは売上を上げたいときに、どんなことを考えますか?
商品・サービスの価格を下げることは、誰でもできる売上アップの方法です。同じ商品・サービスであれば、基本的に値段の低い方が多く買われます。
しかし、価格を下げると利益は減り、似たような商品との価格競争に突入してしまいます。最初は「安い」と思ってもらっても、その価格が当たり前になってしまい、さらに安くしないと見向きしてもらえなくなるからです。
安易な安売り戦略に逃げずに、商品・サービスの価値を高めることができるなら金額を上げて勝負をしませんか。
「そんなに高くしたら買ってもらえない」
「金額を批判されたらどうしよう」
「どんな風に売ったら良いのか・・・・・・」
高額商品の販売を考えると、上のような気持ちがわき上がり、なかなか踏み出せないかもしれません。しかし、高額商品の販売は、見せ方と手順を間違えなければちゃんと売上を上げることができるのです。
この記事では、高額商品の見せ方と販売手順について解説します。
購入心理を考えた高額商品の見せ方
多くの人が「高額商品は買ってもらえない」という恐怖感を抱えています。
しかし、高額商品の見せ方を変えることで「安い!」「これは価値がある」「手に入れたい!」とお客さんに思ってもらえるようになるのです。
ここでは購入するお客さんの心理状態に注目して、どのような見せ方があるのか紹介してゆきます。
結果や経験に焦点を当てる
あなたは『自動車免許』持っていますか?
都会で生活していると身分証明書として使うことが多い自動車免許ですが、仕事で必須の場合や普段の生活に車が欠かせない方もいます。この自動車免許の取得にどのくらい費用がかかったか覚えて(知って)いますか?
実は、一般的な自動車教習所に通うと卒業までに約30万円かかります。
結構な高額出費ですよね。それでも多くの人が免許を取得したいと思うのは、免許を手に入れたあとの生活やライフスタイルを想像しているからです。
- 遠いところまで気軽に行ける
- 自動車免許が必要な仕事につける
- 友人や家族を乗せてドライブできる
- 車を手に入れて楽に移動できる
上のような結果を期待している人が多いのではないでしょうか。
この自動車免許の例で見られるように、高額商品購入後の結果や得られる経験を前面に押し出す必要があります。金額ばかりに注目してしまうと、普段の買い物と比べて高いか安いかになってしまうため購入に結びつかないからです。
あなたの商品がお客さんの生活をどのように変えられるのか、しっかりと提案する必要があります。
先にもっと高額を見せる
ウナギ料理店やお寿司屋さんなどに行くと、同じメニューでも『松、竹、梅』や『上、並』とランクづけされていることが良くあります。
ランクに応じて値段設定も変わるのですが、お店が一番売りたいのは『値段が2番目の商品』だということを知っていますか?
たとえば、ウナギ料理店で一番売りたい『うな重』が3,500円だとします。これだけ見ると、結構な値段に見えますよね。しかし、お品書きに下のように書いてあったらどうでしょうか?
- うな重(特選) 4,500円
- うな重(上) 3,500円
こう書かれていると、3,500円のうな重もお手頃価格に見えてきます。
同様の方法をあなたの高額商品でもできないか考えてみます。オプションを追加したり、サービスを加えたりすることでさらに1つ上の価格帯を作れないでしょうか。2番目の価格帯を売るのが目的なので、最高額の商品は売れたときに赤字にならないようにしておけば、あまり売れなくても大丈夫です。
もし1つ上の価格帯が作れなければ、制作費用などとの比較を行います。このような流れはいかがでしょうか?
「私はこの商品の開発に500万円以上投資してきました。」
「正直に言ってしまうと、100万円でも安いと考えています。」
「しかし、あなたに私の苦労分まで負担してもらうのはフェアでないと思い始めました。」
「そこで、この商品を30万円で販売することに決めました。」
最初に500万円を見せて、100万円 → 30万円 と徐々に下がるので、30万円が安く感じるはずです。
1日あたりにしたら
スポーツジムの会費やシステムの利用料など、月額支払と年間支払がある場合があります。
ほとんどの場合、年間支払を選択した方が10ヶ月~11ヶ月分の費用と同じくらいになり、1ヶ月あたりの費用は少なくなります。高額に見える年会費も、月あたりにすればお得になることを示しているのです。
あなたの高額商品も、月あたりや日あたりにすればお得に見えるのではないでしょうか?
上に出てきた自動車教習所の例を使って、1日あたりに分割してみます。自動車教習所でこのようなセールストークをしているところは見たことがありませんが、例としてあげてみましょう。
「免許を取ってから40年間運転ができるとしたら、14,600日運転できる。」
「30万円の取得費用も14,600日使えるならば、1日あたり約20円の負担で免許が取得可能。」
あなたの商品・サービスも使える期間を想定して、月割り・日割りにしてみてください。
背景を変える
背景とは、商品・サービスについているお話(ストーリー)とも言えます。ひとつ例をあげましょう。
ビールの販売会で、ある有名銘柄のビールを販売しました。ただし、2種類の説明を使い分けて実験をしています。
- 説明A「このビールは高級ホテルのオーナー〇〇様から特別にゆずってもらいました」
- 説明B「ディスカウントショップで在庫をわけてもらったビールです」
同じビールなので、どちらも同じくらい買われるかと思いきや、圧倒的に説明Aの方が買ってもらえます。さらに、説明Aの場合には値段を高くしても購入してもらえます。
つまり、同じ商品であっても背景の『ストーリー』を変えることで、高い価値を提供できるのです。お客さんは理屈だけで買い物をしているのではありません。
あなたの商品・サービスにも、お客さんが高級化に共感できそうなストーリーをつけられませんか?
大きなパーセンテージ
上に出てきた『高額を見せる』とも関係しますが、人は大きな割引率に反応しやすい傾向があります。
- 「Aランチ(1,000円) 半額クーポン」
- 「海鮮フルコース(1万円) 5%割引クーポン」
このような2枚の割引クーポンがあったとき、あなたはどちらに魅力を感じますか?
多くの人は「Aランチ(1,000円) 半額クーポン」に魅力を感じるのではないでしょうか。しかし、よく考えると、「1,000円の半額」と「10,000円の5%」は同じ500円です。同じ500円であっても割引率が多い方に心がゆさぶられやすくなります。
高額商品のビジネスに活用する場合も、大きな割引率を見せることで魅力的にうつります。
たとえば「100万円でも安いと考えていますが、今日から1週間に限り70%OFFの30万円で販売します。」と書くと、興味を持つ人が増えるでしょう。
ここまで高額商品の見せ方についてご紹介してきました。ただし、1つだけ注意点があります。それは「金額以上の価値があるものを売る」ことです。販売しているあなたが「そんな価値はないだろう」と思っている金額設定をしてはいけません。
悩みを抱えている人につけ込んで、ゴミクズを売りつけるようなことはしないでください!
次の章で詳しく説明しますが、『売るたびにお客さんの信頼を損なう』ビジネス手法では大きな売上があったとしても一時的で、ビジネスを長続きさせることはできないでしょう。
信頼構築ステップをのぼってから売る
あなたは訪問販売や突然の電話営業を受けたことがありますか?
受けたことがある人はわかると思いますが、とてもうさんくさいものを感じると思います。普通は初めて名前を聞く会社に『マンション投資』や『高額なリフォーム』の相談をしませんよね。
逆に困った事があったら、以前お願いしたことのあるお店や業者にまずは相談することを考えるのではないでしょうか。それは、あなたとそのお店に『信頼関係』ができているからです。
あなたの商品・サービスでもまずは信頼関係の構築から初めて見ませんか。「面倒だな」と思うかもしれませんが、少し手間をかけてゆくだけで、不特定多数を相手にするビジネスよりも格段に楽になってゆきます。
この章では、高額商品を売る前の信頼構築について詳しい手順を紹介します。
1.役立つ情報を発信
あなたのことや会社についてよく知ってもらうために、定期的に情報発信をしなければいけません。
会社のホームページやブログでも情報発信できますが、メールマガジン(メルマガ)の発行ができるならメルマガがおすすめです。なぜなら、ホームページはわざわざ来てもらわないといけませんが、メルマガなら見込み客に直接情報を届けることができるからです。
また、定期的な役立つ情報を受け取ることであなたに対する好感度は上がります(ザイアンスの法則といいます)。さらに、有益な情報を発信し続けることで専門家として認めてもらえます。人は専門家や先生の権威に弱い(= 信頼しやすい)ため、認めてもらうことは大きな一歩となるのです。
2.集客商品を作って売る
信頼関係ができてきたら、高額商品を売る前に少し試せるような商品(集客商品)をすすめます。
商品・サービスの内容にもよりますが、サンプル配布や体験会の開催など、見込み客が効果を確実に実感できるようにするのが肝心です。
この時の注意点としては、集客商品で利益を出そうと思わないことです。集客商品はあくまでも集客に使うことで利益は後まわしに考えます。
スキルやコンサルティングなど、形のないものであればなおさら、見込み客が成長や進歩を実感できる証拠が必要になります。ブログやメルマガだけでも信頼関係は高まっていますが、見込み客がお金を少しでも払ってくれることに大きなステップアップがあるのです。
ここまでくると、あなたとお客さんの関係は最初にあげた『訪問販売』の営業マンとはまったくの別物になっていることに気がつくはずです。
3.利益商品(高額商品)を作る
可能であれば、お客さんの声を聞いてから高額商品(利益の出る商品)を作ることをおすすめします。なぜなら、商品・サービスありきで売ろうとしてしまうと、お客さんの悩みを解決できないだけでなく、ムリヤリな売り込みになりやすいからです。
- 何に困っているのか? 悩んでいるのか?
- それを解決するにはどうすれば良いか? 私が提供できるか?
- 将来がどのように変わって欲しいか?
上のような質問をお客さんに聞いて、売り込まなくても欲しくなる内容にします。もし、すでに商品・サービスがある場合なら、お客さんの悩みを解決できるか、しっかりと検討しなければなりません。
購入後のサポート体制や保証などについても、望まれている内容を確保しましょう。
4.高額商品を売る
高額商品を販売するのは、集客商品(サンプル利用や体験会出席者など)を使用してくれた人に限ります。
なぜなら、集客商品で成果が出た人でないと、信頼関係の構築が不十分だからです。また、高額商品を表に見せないことで、余計な批判やライバルに真似されることを防ぎます。
この時、いくつか注意点があります。
① ムリヤリ買わせない
『買わなければいけないような流れにしないこと』が1つめの注意点です。ムリヤリ買わせることなく、お客さんに最終判断を任せて選んでもらいます。
無理して買わせると、あとで訴えられたりお金を払ってもらえなかったり、トラブルのもとになりやすいからです。
② 相手のためなら断ることもあり
明らかにミスマッチな人にはこちらからお断りすることも必要です。購入にあたってのデメリットもしっかり説明して、そこで迷ってしまう人には販売しないことも信頼構築の1つになるからです。
「断ってしまったら、お客さんがいなくなってしまう」と思うかもしれません。しかし、しっかりと説明を重ねることで「こんなにお客のことを考えてくれる」と、逆に喜ばれることも多いです。
今回は縁がなかったとしても、別の機会にお客さんになってくれるかもしれません。
③ 支払方法をたくさん提案する
高額な商品のため、ノドから手が出るほど商品が欲しいのに一括入金ができない状況の人もいます。
そのような人に合わせて、支払方法をたくさん提案すると喜ばれるでしょう。『銀行振込』『クレジットカード決済』『分割払い』など、お客さんが使いやすい方法を提案してみてください。
ちなみに、クレジットカード決済でペイパルを利用すれば信販会社を通さずに分割払いができるようになります。お客さんが払いやすくなるように分割回数を決めましょう。
補足:ブランド化を考える
目の前の高額商品を売ることから外れるかもしれませんが、長くビジネスを考えるならブランド化を考えると稼ぎ続けやすくなります。
『ブランド化』と聞くと難しいもののように思いますが、そんなに難しいものではありません。『ブランド化』とは、あなたとお客さんとの約束です。「私は商品・サービスが〇〇であることを約束する」と言うことです。
そのような約束があるからこそ、高額なファッションブランドであってもファンになったお客さんが喜んで購入してくれます(そのかわり安売りをほとんどしません)。
そのため、高額商品を売るなら高品質や手厚いサポートを『約束』に入れるべきです。値段については約束しない方が良いでしょう。
例をあげると、牛丼チェーンの吉野家の場合『うまい、早い、安い』がブランドの約束になっています。『安い』をブランド化したため、ライバルチェーンとの価格争いに巻き込まれてしまいました。
高額商品である理由をしっかりとお客さんに約束することで、徐々にブランド化ができてゆきます。
まとめ
この記事では、高額商品を売るための見せ方と販売手順について解説しました。あなたの商品・サービスにも応用できそうな見せ方や販売手順があったのではないでしょうか。
途中でもお伝えしましたが、内容そのままで単に高額にするだけではお客さんとの信頼関係が崩れてしまいます。
高額になっている理由や価値をしっかりと伝えて、納得してもらえた人だけに販売しなくてはいけません。そのためには、納得しきれない人をこちらから断る勇気も必要です。
ちなみに『見せ方』で使った方法は、セールスコピーライティングと呼ばれる『売る技術』を使っています。セールスコピーライティングでは、購買心理を理解した上でどのような文章表現にすると購入率が上がるのか、経験と実績にもとづいた技術となっています。
この『文章を読んだ人を動かす』セールスコピーライティングは、商品・サービスの売上アップやお客さんを集めるときに役立つのでとても重要なビジネススキルです。
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