副業の中でもトップレベルに始めやすい「文字起こし」の仕事。
これから副業を始めたい人にはピッタリの職業です。
そんなあなたは、
「少しでも収入を増やしたい」
「自宅でも仕事ができればいいのに」
と、きっと思っていることでしょう。
パソコンが1台あれば、自宅で仕事ができると人気の在宅ワーク。
その中でも、「文字起こし」は特別な資格が無くてもできるため、副業としても人気が高いです。
文字起こしはテープ起こしとも呼ばれています。
録音された音声データを聞き取り、パソコンで文字に書き起こす仕事のことです。
主にインタビュー、セミナー、講演会などの音声データを文字に起こしていきます。
最近は音声だけではなく、YouTubeなどの動画を見ながら文字起こしをする案件も増えてきました。
今回は、この「文字起こし」の仕事内容、必要なスキル、メリット、デメリットをお伝えします。
さらに気になる報酬や仕事の取り方などを詳しくお伝えしていきますので、楽しみにしてくださいね。
それでは、さっそくスタートします。
【文字起こしの仕事】
まず最初に、文字起こしについてどういった仕事か?説明します。
文字起こしの仕事は、場所や時間に縛られません。そのため、自分の都合に合わせて作業を進めることができるので魅力的です。
これにより、家事や育児で忙しい主婦の方、初心者でもすぐにできる仕事というイメージがあるのではないでしょうか。
しかし、実際には、音声データの音質が悪く聞き取りづらいものが多いです。早口や、方言などのクセがあったり、わからない専門用語などが出てきたりすることもあります。
その都度、詳しく調べることもあるでしょう。
そのため、始めはたった10分の音声データを文字起こしするのに、4時間以上かかったということもザラにあります。
当たり前ですが、仕事をもらい報酬をいただく以上、いい加減な仕事はできません。依頼されたとおりに、正確に作業を行なう必要があります。
コツコツと継続して慣れていけば、効率よく仕事をこなせるようになり、確実に収入アップにつながるでしょう。
【1.文字起こし方法とは?】
ここからは具体的な方法について。まず、文字起こし方法についてお伝えします。
文字起こし方法には
- 素起こし(すおこし)
- ケバ取り(けばどり)
- 整文(せいぶん)
と大きくわけて3種類の方法があります。
まず「素起こし」とは、会話の全てを一字一句、そのまま文章に書き起こす作業です。
「えー」や「あのー」などの言葉もすべて書き起こします。
次に「ケバ取り」とは、不要な言葉を取り除いていく作業のこと。
「えー」や「あのー」などの口ぐせ、文章上では必要ない相槌などを省いて書き直していきます。
3つ目の「整文」は、リライトとも言われる作業です。
話し言葉を読みやすい書き言葉に直し、文体を「ですます調」に整えます。
この 3種類はクライアントさんの依頼内容や用途によって変わってきます。
指示通りに書き分けていきましょう。
【2.文字起こしに必要なアイテム】
次に、文字起こしの仕事に必要なアイテムを2つ紹介します。
【2-1.パソコン】
文字起こしに必要なもの、まず第一にネット環境が整った「パソコン」です。音声データには守秘義務があるため、他の人と共用は避けましょう。自分専用のパソコンが望ましいです。
「大山さん、今はスマホやタブレットもあるし、それで作業はできますよね?」
と思うかもしれませんが、文字起こしはパソコンで作業をしてください。
スマホやタブレットは、画面も小さくて見えにくく、音声データを聞きながらたくさんの文字を打つのには向いていません。
効率も悪く、目や肩への負担も激しいです。正確な仕事を効率よく行うためにも、文字起こしの作業はパソコンで行ってください。
また、文字起こしは会社で依頼することが多く、パソコンは主にWindowsユーザーのクライアントさんがほとんどです。
これは日本企業の大部分がWindowsを使用しているためです。
納品するときは、マイクロソフトのワード、エクセル、またはGoogleドキュメントでの納品が多いので、事前に対応できるか確認しておきましょう。
【2-2.イヤホン、ヘッドホン】
そして2つ目に文字起こしの必須アイテムとなるのが「イヤホン」または「ヘッドホン」です。
パソコン内蔵のスピーカーでも聞こえれば大丈夫と思うかもしれません。
しかし、音声データは複数の人の会話を録音したものがほとんどです。
- 音声自体が悪いもの
- 会話が重なっているもの
- 笑い声やノイズも入っているもの
その中から、正確に聞き取らなければなりません。文字起こしは正確性が何より大切です。
防音室のような、よほど静かな空間での作業でない限り、パソコンのスピーカーではまず正確に音声を聞き取れません。
そのため、イヤホンかヘッドホンは用意しておくと便利でしょう。イヤホンは長時間使用すると耳の穴が痛くなる可能性があります。
その面から考えると、耳をすっぽり覆えるヘッドホンの方がいいかもしれません。
もし、これからイヤホンやヘッドホンを購入されるなら、できれば家電量販店へ行って、実際に試して聞いてみるのが良いでしょう。
値段が高いものがいいわけではありません。音声が良く聞こえるもの、自分の耳にフィットしているかをチェックしてください。
なるべく重くなく、体に負担がかからない物を選びましょう。
また、便利な機能として「ノイズキャンセリング機能」の付いたものがおすすめです。
周りの雑音を除去してくれ、文字起こし作業に集中できます。
【3.文字起こしに必要なスキル】
ここで文字起こしに必要なスキルを3つご紹介します。
【3-1.タイピングスキル】
一つ目は、タイピングスキルです。文字起こしの仕事には、ある程度、パソコンスキルが必要となります。
特にタイピングのスピードは速いに越したことはありません。ブラインドタッチができる人の方が断然有利です。
スピードが遅ければ、それだけ時間もかかってしまいますよね。
仕事には決められた納期がありますので、締め切りに間に合わせるのが基本です。
タイピングが遅く間に合わないからといって、いい加減なものを納品するわけにはいきません。
自分はタイピングが遅いと思う人は、無料のタイピング練習サイトなどを利用して、少しずつ速く打てるように力をつけていきましょう。
タイピング練習サイトは、ゲーム感覚で楽しみながら練習することができます。
自分の全国ランキングも出るので、自己成長にもつながりますよね。
僕がおすすめするのは「寿司打」というサイトです。回転寿司をモチーフにしたもので、ひたすらタイピングしてお寿司を食べ、上達を目指していきます。無料で楽しく練習できて仕事の息抜きにもなります。
タイピングスキルを上げたい方は、ぜひ、試してみてくださいね。
この積み重ねが、収入アップにも繋がっていきます。
【3-2.語彙力、文章力】
2つ目は、語彙力、文章力です。
音声データを聞いて適切な文章にするには、聞き取る力や語彙力も必要になります。
よく聞き取れない言葉でも、語彙力があれば、問題ありません。
話の流れから「こういう会話だな」と推測し、正しい文章を導くことができます。
しかし、語彙力がないと会話が上手くつながりにくくなってしまいます。
これらの力を身につけるためには、日頃から本や新聞を読んで知識を蓄えていきましょう。少しずつでもかまいません。
普段から多方面にわたりアンテナを張っておくことが重要です。
今、聞こえてくる言葉だけを書き起こすのではなく、この会話に自分も立ち会っている気持ちになって書く。
会話の内容と意味を考えながら作業をする。あなたが文字を起こしている会話は、誰かの人生を左右することになるかもしれません。
【3-3.忍耐力】
そして3つ目。文字起こしの作業に求められる重要な力、それは忍耐力です。
文字起こしの仕事は、とにかく同じ作業をひたすら繰り返します。そのため、長時間、黙々と作業をこなせる忍耐力が必要になるのです。
単調なデスクワークが苦にならない人には大変おすすめです。
逆に、
- 人と会ってコミュニケーションを取るのが好きな人
- 単調な作業は苦痛に思う人
- じっとしているのが苦手な人
には、かなり難しい仕事になるでしょう。ずっと同じ姿勢で作業をするのは本当に大変です。
少しでも改善できるアイテムがあれば、集中力も長く続くのではないでしょうか。
- 腰の痛みをやわらげる骨盤矯正クッション
- 座りすぎを防止できるスタンディングデスク
- 足のむくみや血行不良を改善する青竹踏み
などを取り入れると、姿勢の改善だけでなく、血行促進、疲労回復にも効果的です。
単調に思える作業も快適に行え、忍耐力がない人でも、長く集中できるでしょう。
慣れるまで大変ですが、これらのサポートアイテムをうまく取り入れて、ぜひ挑戦してみてくださいね。
【4.メリット】
次に、文字起こしの仕事のメリットを3つご紹介します。
【4-1.在宅ワークである】
この仕事のメリット、まず1つ目は在宅ワークであることです。
わざわざ通勤時間をかけて会社に行かなくても、パソコンがあれば自宅で作業ができます。
また、ノートパソコンなら、静かなカフェや公園でも持ち運び可能ですよね。
周りがうるさいと聞き取りにくいですが、気分転換として外出先で作業できるのは嬉しいことです。
【4-2.新しい知識を増やせる】
メリットの2つ目は、新しい知識を増やせることです。
仕事の案件は、医療、経済、科学など、さまざまな専門分野を扱うことがあります。普段、自分とは直接、接点のないプロフェッショナルな話や、経験豊かな人たちの話を聞けるのも、自分の知識を増やせる嬉しいメリットのひとつです。
今まで自分が知らなかった分野の新たな発見ができるかもしれません。
文字起こしは勉強しながら報酬をいただける仕事でもありますね。
【4-3.タイピングスキルと語彙力が上がる】
メリットの3つ目は、タイピングスキルと語彙力が上がることです。
ひたすらタイピングをこなすため、タイピングスピードがおのずと速くなります。
さらに聞き取りと同時に文字起こしすることで、語彙力も強化されます。
正しい日本語、文章の書き方を見直す良い機会にもなりますよね。
忍耐強く継続していけば、今よりもタイピングスピードや語彙力は必ず上がります。
まさに「継続は力なり」です。
【5.デメリット】
次にデメリットとして主に2つあります。
【5-1.慣れるまでにかなりの時間がかかること】
1つ目は、慣れるまでにかなりの時間がかかることです。
音声データは全てがクリアに録音されているわけではありません。
わからない専門用語があれば、何度も聞き直す必要があります。
そしてネットや辞書で調べて正しい言葉を確認しなければなりません。
そのため、かなりの時間を費やすことになるでしょう。
しかし、続けていけば、必ず慣れて時間短縮もできるようになります。慣れるまで、苦しいかもしれませんが、頑張って続けましょう。
【5-2.目の疲れ、肩こり、腰の痛みといった症状が出やすいこと】
2つ目は、目の疲れ、肩こり、腰の痛みといった症状が出やすいことです。
ずっとパソコンに張り付いて作業をすることになるので、長時間、同じ体勢のままになりやすいです。気が付いたら体がガチガチになっていることもあるかもしれません。
こまめにストレッチなどをして疲れをほぐし、気分転換もしていきましょう。
【6.文字起こしの相場、どのくらい稼げるか】
これまで、文字起こしの仕事内容、必要なもの、メリット、デメリットなどをお伝えしてきました。
ここで、やっと気になる報酬の話をします。
文字起こしの報酬は、60分の音声データ1本の場合で、おおよそ5,000円以上が相場と言えます。
内容にもよりますが、専門的な知識を必要とするものは、報酬が1万円以上に値上がります。
少しずつ慣れていき、速く正確に作業をこなせるようになれば、実績も増やせ、たくさん仕事を受けることができます。
仕事は実績が多い人の方が、やはり取りやすいです。数をこなせば、その分、報酬もアップします。
ITツール比較サイト・STRATE(ストラテ)の調査によると、1ヶ月あたりの副業の平均収入は「1万円未満」が全体の63%と、約6割を占める結果でした。
仕事内容は、アンケートや商品モニターの回答などが55%とトップのようです。
このデータから見ると、アンケートなどで収入を増やすことは、かなり難しいでしょう。
その点、文字起こしを副業にした場合、5,000円の案件を月に10本受ければ、5万円の収入になります。
本業にすれば、作業に専念できる時間も多く取れ、もっと案件を受けることも可能です。
初心者の場合、慣れるまではとにかく時間がかかることでしょう。
自分が考えているよりも大幅に作業時間がかかると思っておいてください。
例えば、初めて60分の音声データを文字起こしするとします。聞き取りにくい音声を何度も聞き返し、調べながら慎重にパソコンに打ち込んでいく。
完成させるのにトータルで半日、約12時間かかったとします。
5,000円÷12時間=416円。この場合の時給は416円となります。
こう聞くと驚愕の金額だと思うことでしょう。
「大山さん、大げさですよ!」と思うかもしれません。
しかし、初めての作業はこのくらいは当たり前と思っていてください。文字起こしは割と「簡単そう」というイメージを持たれがちですが、実際には根気が必要で、思っている以上に大変な仕事です。
ですが、諦めてはいけません。どんな仕事もそうですが、最初はとにかく大変でつらいです。それは痛いほどよくわかります。いつまで時間がかかるのか、無限ループから抜け出せないと思うかもしれません。
しかし、諦めずにコツコツと継続していくと、突然フッと理解できたり、作業が速くできるようになったりします。
そして自分にとってやりやすい方法が必ず見つかるはずです。少しずつレベルアップしていく自分を楽しみたいですよね。
また、レベルアップするのに、「文字起こし技能テスト」という、オンラインで受けられるテストがあります。
これに挑戦し、力を付けて実績をアピールすれば、収入を増やすことにも繋がっていくでしょう。
【7.無料で使える文字起こしソフト3つ紹介】
ここで、文字起こしの作業を効率よく進めるために、アシストをしてくれるソフトを3つ紹介します。
1つ目:「Okoshiyasu2」(おこしやすツー)
文字起こし支援ソフトの代表格です。こちらは無料でインストールすることができます。
キーボード操作だけで再生・停止など、頻繁に使う機能を操作することができます。
また、再生速度や音程の調整もでき、効率よく作業をすすめることが可能です。
開発から10年以上経ちますが、シンプルな機能で無料で使えることもあり、今でも多くのプロライターが愛用しています。
2つ目:「テープ起こしプレーヤー」
株式会社アスカ21(アスカニジュウイチ)が無料で提供しているものです。
こちらもWindows対応、キーボードで再生・停止・巻き戻しなどの基本的な操作ができます。
速度調整やノイズキャンセリング機能も備わっており、効率よくアシストをしてくれます。
3つ目:「音声入力」
Macの人も利用できるGoogleドキュメントです。Googleドキュメントとは、Googleが提供する文書作成ツールのこと。
Googleのアカウントを持っていれば、ソフトをインストールすることなく誰でも無料で利用できます。
Mac、Windows、スマートフォンからも操作可能です。この音声入力は、いま話した言葉を瞬時に文字起こししてくれます。
注意点は、
- すべての言葉を正確に聞き取れるわけではない
- 正しい漢字に変換されないことがある
- 改行や句読点は自分で入力する
などです。
複数の人の会話では、早口の人や方言など、クセの強い話し方の人もいます。途中で会話がかぶったり、笑い声が入ったりすると正確な文字起こしは難しくなるでしょう。
しかし、ハキハキとした会話は瞬時に文字起こしをしてくれます。これらの心強い支援ソフトを使いながら、効率よく仕事をすすめることで、時間短縮に繋がります。
すべての仕事に通じますが、最後は、人間の手による緻密な確認作業が必要です。
機械に任せきりにならないように丁寧な作業を心掛けていきましょう。
【8.仕事の取り方】
最後に、文字起こしの仕事の探し方をお伝えしていきます。
まず1番おすすめなのが、幅広い案件の募集をおこなっている「クラウドソーシングサイト」です。
その中でも有名な「クラウドワークス」や「ランサーズ」といった、大手のクラウドソーシングサイトでは、年間で1万件以上の文字起こしの案件が募集されています。
そのため、仕事が全くないということにはならないでしょう。
これらのクラウドソーシングサイトにいくつか登録して案件を探すのが効率的といえます。
そのほかにも、
- 文字起こしの業者と直接契約をする
- 求人サイトで探す
- ハローワークで探す
などの方法もあります。
ご自身の都合にあった方法で案件探しをしてみてくださいね。
【9.まとめ】
いかがだったでしょうか。今回は、「文字起こし」の仕事を詳しく解説しました。
文字起こしは、初心者でも比較的、取り組みやすい仕事です。
しかし、音声データをただ文字にすればいいというわけではありません。
「日本語として通じる、正しい文章に整える」というのも、文字起こしの大切な仕事です。たかが文字起こしと思われがちですが、されど文字起こしです。
慣れないうちは音声データも聞き取りづらく、時間もかかってしまうことでしょう。
しかし、正確で丁寧な作業をおこない、コツコツと案件をこなしていくことで、副業でも月5万円は稼げる仕事です。
諦めずに継続していけば、タイピングスピードや語彙力、さらに収入も必ずレベルアップします。
挑戦をすることで、自信にもつながるでしょう。あなたの副業での成功を心から祈っています。
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