企業から、手書きのセールスレターやDMが届いたことはありますか? 人間味のある手書きの文字につい反応してしまい、そのまま読んでしまった経験がある方もいらっしゃるのではないでしょうか?
手書きの文字には不思議な魅力があるのです。
この記事では、セールスレターやDMに手書き文字を取り入れる理由や注意点について詳しくまとめてあります。
あなたの会社のDMを他社のものより目立たせて、お客さんとさらに良い関係を構築したいと思われているのであればぜひ読んでいってください。
ちなみに、この記事では「手書き」といっても一通一通を手で書いていくのではなく、あくまで一通分を手書きで書いた上でコピーしたものを送付するという意味で解説しております。ご了承ください。
手書きにすると反応率が上がる理由
なぜ手書きにすると反応率が上がりやすいのか?
その理由は基本的には「差別化になる」ことと「想いが伝わりやすい」ことの2点と考えられます。1つずつ見ていきましょう。
差別化になる
世の中に商品が溢れかえっている現代では、どの企業も自社に注目してもらうことに必死です。みんな「どうやって目立ってやろうか」と常に考えているのです。
そしてテクノロジーの発展により非常に便利な世の中になりました。ビジネスの実務はどんどん効率化され、手間がかからなくなってきています。
多くの企業が販促活動を電子メールやウェブサイトに移行したことで、人々が手書きの文字に触れる機会が少なくなってきました。
だからこそ、逆に今時珍しい手書きという手間をかけることによって目立つことになり、他社との差別化を図ることができるのです。
また、現代人は毎日2,000件以上の広告を見ていると言われており、売り込みに疲れてしまっています。少しでも売り込みだと感じた時点で読むのをやめてしまう人も多くいます。
売り込みもデジタルによるものが中心であることから、手書きにすることで売り込み感を減らすことにもつながります。その結果、読んでもらえる可能性が高まるのです。
想いが伝わりやすい
均整が取れていて誰が書いても同じ、無個性なデジタル文字と違い、手書きの文字は個性も反映されるため想いが伝わりやすくなります。
メールでは表せない人間味、温かさを手書きによって届けることができるのです。
また、手書きで書くことが余計に手間がかかる作業であることを、お客さんも知っています。その苦労、企業努力をお客さんにも感じてもらうことができるのです。
一流のセールスマンの中にも、出会ったお客さんに手書きのお礼のお手紙を送っている方がいます。そうすることでお客さんから応援してもらい、リピートや紹介にも繋がるのです。
女性客向けに特にお勧め
手書きDMは、女性をターゲットにしたビジネスをされている方には特に重要な施策となり得ます。
商品を購入する際に論理的にスペックを比較検討する男性と違い、女性は購買のプロセスや「なんとなく」の雰囲気を重視するからです。
あなたの手書きDMの文体に表現された個性が女性客の好みに合致したとき、購買行動へのハードルを一段と下げることができるでしょう。
手書きにする箇所は?
もちろん、お客さんに送るDM一通一通の全文を手書きにできればベストです。しかし、送る数にもよりますが、さすがにそれは手間と時間がかかりすぎるはずです。
手書きにする箇所はどこを優先すると良い結果が得られやすいのか? いくつかアイデアを示していきましょう。
本文を読んでもらえる可能性を上げる箇所
セールスコピーライティングでは、読者の「3つのNOT」をクリアする必要があると言われます。
3つのNOTとは、私達が書いた文章を、読者はそのままでは「読まない(NOT READ)」「信じない(NOT BELIEVE)」「行動しない(NOT ACT)」というものです。
セールスコピーライティングのほとんどの技術は、これら3つのNOTをクリアするためのものと考えられます。
その中で最も大切なNOTはどれかと言われたら、「読まない」です。なぜなら、どれほど素晴らしい文章が書いてあろうとも、読んでさえもらえなければ全く意味が無いからです。
したがって、「読んでみよう」という興味を湧かせるための箇所を手書きにします。具体的には以下の箇所が考えられるでしょう。
- キャッチコピー
- 大きい見出し
- 宛名
- 封筒であればティーザーコピー(お客さんが開きたくなるように、封筒に書くコピー)
これらを、お客さんの目を引くような手書き文字で書けると良いでしょう。
目立たせたい箇所
目立たせて、お客さんに訴求したいポイントを手書きにすることも考えられます。手書きということで他の部分よりも優先的に読んでもらうことができるからです。
たとえば以下のような箇所が挙げられます。
- 期間限定、数量限定などの希少性アピール
- 低価格商品であれば価格
- 商品の最大のメリットやベネフィット
- USP(Unique Selling Proposition = 他社にはない独自の強み)
- お客様の声
この内、ウェブページでのセールスレターでもお客様の声は手書きをスキャンしたものが理想です。お客様の声の捏造を疑われる可能性が減るからです。
アクセントとして
ほぼ全文がPCで入力したデジタル文字であっても、アクセントとして手書き文字を入れるだけで雰囲気は大きく変わることとなります。
たとえば生産者の想い、社長の想いなどを手書きで添えてみるのはいかがでしょうか。その際は顔写真や顔のイラストも加えてセリフとして表示するのも良いでしょう。
アクセント目的であれば手書きにする内容は問いません。「〇月〇日〇時に当社の商品が〇〇テレビで紹介されます!」といった余談を手書きで添えるのも面白いです。
手書き風フォントを使う
どうしても手書きが面倒だとか苦手意識があるとかで避けたい場合、「手書き風フォント」というものがあります。
ウェブページで「手書き フォント」といったキーワードで検索すれば無料のものが沢山ヒットしますので、好みのフォントを選んで使ってみましょう。
ただし、もちろん手書き「風」でしかありません。本物の手書きほどの温かさが伝わることはないでしょう。
手書きで書く際は個性を出すこと
「デジタル文字は無個性だから温かみを感じない」と上述しました。手書き文字は個性があるからこそ良いのです。
あまりにも均整のとれた綺麗すぎる文字を書いてしまっては、手書きの良さが発揮されづらくなります。
日本のDRM(ダイレクトレスポンスマーケティング)の第一人者である神田昌典さんの著書「口コミ伝染病」に、様々なDMの実例が載っています。特にその中で、「すし八」という回転寿司店の「きたないチラシ」が非常に印象的です。
通常、回転寿司はどんなチラシを配っているだろうか? あなたも思い出せると思う。
カラーで、寿司の写真が載っている。そしてその横に、価格が出ているというスタイルだ。「いかに、おいしそうに写真を撮るか。これがポイントです」と多くのチラシ制作会社は言う。
しかし、すし八のチラシは、正直、きたない。寿司の写真もない。ただ社長が書いた、筆書きの寿司のイラストが入っている。
にもかかわらず、きれいなチラシに比べると、売上1.7倍。しかも経費は半分。そしてお客からは、「どうしてうちの地域には入れてくれないの?」と文句が来る。
「口コミ伝染病」より引用
ご覧の通り、文字も決して綺麗とは言えません。しかし、すごく味のある文字なのを感じていただけるでしょうか。
また、自社のブランドに合った文字になっているかどうかも考慮しましょう。たとえば高級住宅街のスタイリッシュな美容室が、この「すし八」のような文字で書かれた手書きのレターを送ってしまっては、お客さんに違和感を生じさせてしまうことになります。
読めなければ意味がない
個性が必要とはいえ、読めなければ全く意味がありません。
達筆すぎて読めないとか、速く書こうとして読めないようなことのないように気をつけてください。あくまで誰でも読める範囲で個性を出していきましょう。
あまりにも手書きが苦手なのであれば無理して手書きにする必要は無いでしょうし、誰かに頼むことも考えてください。「手書き代筆サービス」をしている業者も存在します。
まとめ
以上、手書きでDMを書くことについての考え方についての解説でした。
デジタルによって便利になり、人々が人間の温かみを求めるようになった時代だからこそ有効な手段であるというのはわかっていただけたでしょうか?あなたの会社の個性を表現し、良いブランディングに繋げていっていただけたら嬉しいです。
ただ、あくまで「手書きか否か」というのは飾りであり、売上に対して小さな要素でしかありません。いくらキャッチコピーを手書きにしたところで、その内容がつまらなければ読まれることはないでしょう。
手書きを施策として取り入れるかを考えるのは、まず文章の内容を改善してからにしましょう。
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