コピーライティングは「セールスマンシップ・イン・プリント(紙の上のセールスマン)」と呼ばれ、セールスマンのセールストークを文章で再現するための技術です。
つまり、あなたの会社のマーケティングにコピーライティングを取り入れることにより、セールスの手間を減らすことができるのです。
この記事では、マーケティングにコピーライティングを取り入れることについて、セールスマンを雇うことと比較しながらメリットや注意点、その流れについて解説していきます。
コピーライティングをマーケティングに取り入れる理由
それでは、「どうしてマーケティングにコピーライティングを取り入れていくと良いのか?」というメリットについて解説していきます。
自動化できる
やはり、自動化できることが最大のメリットといえるでしょう。
新規集客からクロージングまで、一度あなたが納得できる成果を出すことのできるマーケティングの流れを、コピーライティングによって作ることができたとします。すると、時代の変化などによる微調整はその都度必要なものの、文章が勝手にお客さんを誘導してくれるため、ほぼ自動化をすることができます。
半永久的に勝手に働いてくれる優秀な営業担当者が誕生したものとイメージしてください。後述のように対面営業よりも成約率が落ちてしまうのは仕方のないことですが、経営者としては営業の人事に悩むことがなくなります。
レバレッジが効く
レバレッジとは「てこの原理」のことであり、「外部の力を利用させてもらうことで、自社の資本や労力を何倍にも増幅し、大きな結果を出す」といった意味で使われます。
文章ではなく人を使ったマーケティングでは、沢山のお客さんにアプローチするためにはそれだけ沢山の営業担当者が必要です。そうなると人件費もかさんでいきますし、教育の手間もかかってしまいます。
しかし、文章であれば一度書くだけで、質の高い情報を多くのお客さんに届けることができます。費用もDMなら安価な印刷代や郵送費だけの加算で済みますし、メルマガであれば読者が増えても経費は変わらないことがほとんどです。
このように、文章というのはレバレッジを効かせて大きな結果を出すのに非常に有効なものとなります。
コピーライティングを使ったマーケティングの流れ
コピーライティングをマーケティングに取り入れれば、以下のような箇所で役立てることができます。
- 広告
- LP(ランディングページ)
- メルマガ、DM(ダイレクトメール)
- セールスレター
これらについて個別に見ていきましょう。
広告
「広告にいかに興味を持ってもらうか?」というのは、デザイン等の見た目はもちろんのこと、そこに書いてある文章も非常に大切になります。
なるべく、あなたの商品を購入してくれる可能性の高いターゲット層だけの目を引く文章を書くために、コピーライティングの技術は大いに役立つでしょう。
LP(ランディングページ)
LP(ランディングページ)とはお客さんの情報を得るためのページのことであり、基本的にweb上でお客さんが広告をクリックすると飛ぶページはLPです。
お問い合わせや無料サンプル、無料メルマガ、またはフロントエンドの低額商品などを申し込みしてもらい、お客さんのメールアドレスや住所などの連絡先をいただくことが目的となります。
無料や低額ということでお客さんの心理的ハードルはそれほど高くはなく、要求されるコピーライティングの技術も高いわけではありません。気軽に申し込んでもらい、お客さんの情報をいただいてメルマガやDMによる情報配信に繋げましょう。
メルマガ、DM(ダイレクトメール)
LPでいただいたお客さんのメールアドレス、住所といった連絡先に対し、メルマガやDM(ダイレクトメール)によって情報配信を行います。目的はお客さんの価値観を変え、あなたの商品が欲しくなるように「教育」をすることです。
「商品が欲しくなるように」といっても、あなたの商品の売り込みばかりではお客さんから嫌われてしまいます。
売り込みばかり行うのではなく、お客さんにとって役に立つような情報を配信することで相手からの信頼を得ていきましょう。その中で、あなたの商品の魅力も少しずつ伝えていけると良いです。
セールスレター
商品の提示からクロージングまでを行う段階です。コピーライターの腕の見せ所であるセールスレターの書き方については、このサイトでも沢山の記事がありますのでぜひそちらを読んでみてください。
まずはセールスレターの書き方の代表的な型としてPASONAの法則やQUESTの法則についてご欄いただき、その後でこのサイトの「セールスレター」カテゴリの記事で細かく学んでいくことをお勧めします。
PASONA(パソナ)の法則とは?セールスレターの書き方│テンプレート
QUESTの法則(フォーミュラ)とは?セールスレターの書き方│テンプレート
素晴らしいセールスレターでクロージングすることで、情報発信によって貯めてきた、お客さんからの信頼を一気にキャッシュに変えていきましょう。
コピーライティングを取り入れる手段
これだけ大きな魅力のあるコピーライティングですが、あなたの会社のマーケティングにどうやって取り入れていけばいいのでしょうか?
以下の3つの手段について、メリットとデメリットを見ていきましょう。
- 社長が自身で勉強する
- 社員に勉強してもらう
- 外部コピーライターと契約する
社長が自身で勉強する
社長であるあなた自身が勉強して習得するのも良いでしょう。
メリット
一度習得すれば一生モノのスキルであることがメリットといえます。また、他者の都合に左右されることもなく、あなた自身がいればスキルを使えることも大きいでしょう。
これらは、まだ売り上げ規模が大きくなく、社長の実務の重要性が高い企業にとっては特に大きなメリットになります。
デメリット
社長の仕事がさらに増えてしまうということが挙げられるでしょう。社長自身の力に頼らなければいけない企業であれば、経営者として時間の自由を作れるのはどんどん遠ざかることになります。
コピーライティングは一朝一夕で身につくスキルでもないため、習得に時間もかかってしまいます。特にあなたが文章を書くことに苦手意識を持っていたり、慣れていなかったりすればより一層大変な道になるはずです。
社員に勉強してもらう
社長であるあなたではなく、社員に勉強してもらうことも検討してみてください。
メリット
あなたの時間が取られるわけでもなく、自社社員なのである程度のコントロールも効きます。習得した技術を他の社員に教えてもらい、広めていくのも良いでしょう。
デメリット
しっかり結果を出すことのできるコピーライターというのは、世の中の企業から引く手あまたです。
コピーライティングを学んだ社員が有能であればあるほどあなたの商品の販売成績が上がるのはもちろんですが、その分ヘッドハンティングや独立の可能性が上がるというジレンマがあります。
このサイトに寄稿しているメンバーや運営者の大山さんも同様ですが、パソコン一台で仕事ができるため独立のハードルも低いですから。
また、習得に時間がかかるのも同様です。これらのリスクを踏まえた上で、あなたの会社に有効であればご検討ください。
外部コピーライターと契約する
私自身がコピーライターであるので当然といえますが、外部コピーライターとの契約をお勧めさせていただきます。
メリット
既に技術を習得したコピーライターとの契約なのですから、即座にコピーライティングの技術を取り入れることができます。社長や自社社員の時間をコピーライティングの習得に充てる必要がありません。
また、社長や社員などの内部の方よりも客観的な視点で商品を見て評価、改善することができます。
もし契約しても結果が出ないようであればすぐに契約を切ればいいのですし、損切りもし易いです。
デメリット
良いコピーライターを選ぶ必要があります。
特に、「コピーライター」と一口に言っても、企業のブランドイメージを高めるための「イメージコピーライター」と集客やセールスのための「セールスコピーライター」は全く違うものとなります。
クラウドソーシングサイトでさえ、その二者を区別できていない応募者、募集者がいるほどです。
文章を書くことは誰にでもできるために実力の見極めは非常に難しくなりますが、しっかり実績を確認したり、知人の紹介を頼ってみたりして、良いコピーライターと出会えることを祈っております。
コピーライティングを取り入れる際の注意
「ではコピーライティングを取り入れれば何でも売れるのか?」「コピーライティングを使ってマーケティングを設計したら後は放置でいいのか?」と言われると、決してそんなことはありません。
その注意点についてお伝えしていきます。
ライティングだけでは売れません
「コピーライティングができれば石ころでも売れる」というようなことを言う方もいます。
たしかに、それは絶対に出来ないことではありません。しかし非常に難しく、たとえ出来たとしても成約率を上げるのは無理があります。「売り方」だけではどうしようもない部分があるのです。
逆に極端な例として、最高級のダイヤモンドが100円で販売されていたら、「売り方」に関係なく即座に売り切れるはずです。
ライティングそのものの質よりも、「お客さんが何を求めているのか」という「リサーチ」と、商品の品質だけでなく、価格や特典、保証なども含めて「お客さんに何を提案するのか」という「オファー」の質の方が成果に対して大きく関わってきます。
「ライティングさえ学べば売り上げが上がる」と思われているのでしたら、それは間違いといえます。
しばらくはテストして改善していく必要がある
コピーライティングの技術には正解があるわけではありません。あくまで「こちらの方が成果が出た事例が多かった」というデータの蓄積により確立された技術でしかないのです。
「あなたの商品をどう売れば成果が最大化されるのか」は、結局のところ試してみなければわかりません。よって、セールスレターやメルマガなども含め、一度書いたらそれで終了というわけにはいきません。
あなたがOKと思える成果が出るまで、様々な要素を変更しながら成約率などの結果の数字を見てテストしていき、改善を続ける必要があります。
対面営業よりも反応率は落ちる
文章で人を動かすというのは、実際の会話でのコミュニケーションよりも成功率が落ちるのは仕方のないことです。どれほど素晴らしいコピーライターでも、素晴らしい営業担当者には敵いません。
やはり対面営業であれば相手の反応を見ながら臨機応変に対応できるという最高の利点がありますし、文章よりも熱意などの気持ちが伝わりやすいです。
上述のように、自動化やレバレッジといったコピーライティングによるメリットが活きないビジネスであれば、取り入れる必要は無いといえます。
「コピーライティング」という単なる手段を目的にしてしまわないように気をつけてください。
まとめ
以上、コピーライティングをマーケティングに取り入れる際のメリットやデメリット、手順をお伝えさせていただきました。あなたの商品を売るための有効な施策となりそうでしょうか?
もっと具体的な文章の書き方については、このサイトの無料メールマガジンでも解説しています。ぜひアドレスを登録して読み進めていってください。
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