マーケティングなしで、商品・サービスを売っても最初のうちは売れるかもしれません。ですが、「売れ続けられるか?」と聞かれたら、「はい」とは言い難いです。なぜなら、どんなビジネスにもマーケティングは必要不可欠だからです。
ただ、「マーケティング」のイメージはある程度できるが、言葉にして説明してと言われたらスラスラ言えない人が多いのではないでしょうか。ここでは、マーケティングの定義から必要性、始め方まで網羅しわかりやすくお伝えします。
「なかなか売上が上がらない」「売上アップを望んでいる」という方は、ぜひ最後まで目を通して見てください。今までとは違う切り口、解決策が見つかるかもしれません。
マーケティングとは?
「マーケティング」という言葉は、ビジネスをしている方ならよく耳にしますよね。ビジネスをしていない方も何回か聞いたことがあるでしょう。
ただ、マーケティングと言っても、人によって実に様々な解釈がされています。「リサーチすること」という人もいれば、「メディアで商品・サービスを宣伝すること」という人もいます。
どちらも間違ってはいませんが、実をいうと、「マーケティングとはこれだ」という世界共通の定義はありません。日本でマーケティングの研究や調査をしている、日本マーケティング協会は次のように定義しています。
「企業および他の組織がグローバルな視野に立ち、顧客との相互理解を得ながら、公正な競争を通じて行う市場創造のための総合的活動である。 」
市場創造のための総合的活動とは、組織の内外に向けて統合・調整されたリサーチ・製品・価格・プロモーション・流通、および顧客・環境関係などに係わる諸活動をいう。
また、世界最大のマーケティング組織であるアメリカ・マーケティング協会は2007年に次のように定義しています。
「マーケティングとは、顧客、依頼人、パートナー、社会全体にとって価値のある提供物を創造・伝達・配達・交換するための活動であり、一連の制度、そしてプロセスである」
引用元:Wikipedia
これだと「難しい言葉が並んでいてピンとこない」と感じるかもしれませんが、安心してください。マーケティングとは意外と単純です。
「マーケティング = 売り込みをしなくても商品・サービスが売れる状態にすること」と言うことができます。もっとシンプルに一言で言うと「売れ続ける仕組みを作ること」です。
マーケティングの必要性
年々、マーケティングの必要性は上がっています。
その理由としては、インターネットの普及です。インターネットがあまり普及していなかった時代と今を比べると、桁違いの「商品」「サービス」「情報」で溢れています。
たとえば、インテリアを買う場合を考えてみましょう。今までは、「IKEA(イケア)」や「ニトリ」など店舗で買うことが多かったでしょう。ですが、インターネットの普及した今、ネットで「インテリア」と調べると本当に多くのショップやインテリア商品が出てきます。
買い手は、多くのインテリアから好きなものを選べるので嬉しい限りです。ですが、売り手である企業側からすると、ライバルが多くなり、自社の商品を買ってもらえる可能性が下がります。それが、どんなに高質で良いインテリアを作っていたとしてもです。
また、買い手も昔よりはるかに多くの情報を目にするようになったので、目が肥えています。ただ単に、「この商品を出せば売れる」と言う時代はとっくに終わりました。
では、何をすれば良いのでしょうか? 大きく分けると、次のことが必要になります。
- 市場のリサーチ
- お客さんの不満、欲求を調べる
- 多くの人に知ってもらうためには?
- 他社との違いを見つける
これらは、売り込みをしなくても商品・サービスが売れ続ける状態にするために必要なことです。つまり、インターネットが普及し「商品」「サービス」「情報」が溢れている現代で生き残るためには、マーケティングが必要不可欠なのです。
マーケティングの始め方
マーケティングの重要性が理解できたところで、ここからは実践編をお伝えします。
1ステップずつわかりやすくお伝えしていきます。他社(ライバル)に遅れを取りたくない方は、紙とペンを用意してメモしながら読んでくださいね。
1.市場のリサーチ・分析
最初にするのは、市場調査(マーケティングリサーチ)です。アンケートや国(政府)、企業などが出しているデータを元に市場をリサーチし分析します。
たとえば、過去のデータを分析し次にくる流行を予想したり、市場での消費者の傾向や動向、好みなどをリサーチしたり、というように市場の調査や分析をします。
「リサーチ」と言うと、軽く見る方が多いですが、非常に大事な部分です。「これ以上調べること分析することはない」と自信を持って言えるくらいまでしっかりと市場調査をし、分析してください。
2.お客さんを絞る
市場調査(マーケティングリサーチ)をし、市場の動向や消費者の傾向などがある程度わかったら、次はお客さんを絞ります。このことを専門用語で「ターゲティング」と言います。
「なぜ?お客さんを絞る必要があるの?」「絞らずに全てのお客さんに売った方が売れるんじゃないの?」と疑問に思う方もいますよね。結論から言うと、全てのお客さんに売ろうとすればするほど売れにくくなります。
わかりやすく僕が好きなラーメンの場合を例に出してみましょう。全ての味を提供しているラーメン屋さんは「ラーメンが好きな人」と幅広い人に来てもらおうとしています。それに比べて、とんこつ味のラーメンしか提供していない専門店は「とんこつ味が好きな人」、しょうゆラーメンの専門店は「しょうゆ味が好きな人」と言うようにお客さんを絞っています。
結果、とんこつ味が好きな人は、とんこつラーメン専門店に行き、しょうゆ味が好きな人は、しょうゆラーメン専門店に行く可能性が非常に高いです。おそらく、あなたもラーメンが食べたくなったら、その味を極めている専門店に行きますよね。
このように、お客さんを絞った方が売れやすくなります。お客さんを絞らずに提供していると、お客さんを絞っている他社にお客さんを取られる可能性もあります。
3.絞ったお客さんの不満や悩み、求めていること(ニーズ)を知る
世の中にある商品・サービスは、誰かの悩みを解決するモノ、求めていること(ニーズ)を満たすモノです。言ってしまえば、これをクリアしていないと売ることは非常に難しくなります。なので、お客さんの不満や悩み、求めていることを知ることが非常に大事です。
ターゲティングしたお客さんと同じような人が近くにいる場合は、その人から聞き出すことも出来ます。リスト(メールアドレス)を持っている場合は、アンケートを出して答えてもらう方法もアリです。
どちらもないと言う方は、以下の質問サイトをオススメします。
匿名で質問できるということもあり、本音の悩みや不満、求めていることが書かれているので、一度見てみてください。
不満や悩み、求めていることが分かれば「悩みを解決する商品・サービス」「求めている商品・サービス」「価格」「素材」など、お客さんが本当に求めているモノを提供できます。
4.他社との違い、強みを見つける
他社との違い、強みのことを専門用語で「Unique Selling Proposition(ユニーク セリング プロポジション)」の頭文字を取って、USPと言われます。
「商品」「サービス」が溢れている現代、似たようなモノがたくさん売られています。買い手からすると「これは他のモノと何が違うの?」「似ているけど、こっちは何の機能が良いのかな?」と他の商品・サービスとの違いを探しているのです。
どの市場も「他社との違い、強み」は主に次の3つのどれかに当てはまります。
- 手軽軸
- 商品軸
- 密着軸
1の手軽軸とは、寿司屋でいうと「回転寿司屋」です。安い、早い、手軽で便利などが強みです。スピードや利便性を訴求できます。
2の商品軸とは、寿司屋でいうと「高級寿司屋」が当てはまります。商品・サービスの品質やスキルの高さが強みです。高品質や最新の技術を訴求できます。
3の密着軸とは、寿司屋でいうと「行きつけの寿司屋」です。顧客密着型や個別に提供できるのが強みです。お客さん一人一人に合わせた提供やオーダーメイドなどを訴求できます。
「他社との違い、強み」と言うと、難しく感じるかもしれません。何かしら必ずあります。以上の3つを参考にして、見つかるまで探しましょう。
5.売り手目線と買い手目線でのギャップがないか
まだまだ、売り手目線で商品・サービスを提供している企業が多いように感じます。売り手目線ではなく、買い手目線で提供することが非常に大切です。売り手と買い手にギャップがあると、興味も持ってくれない可能性が高いです。
そうならないために、売り手側と買い手側のギャップがないかを確認します。このことをマーケティングミックスと言われており、売り手側目線では、次の4Pを確認します。
- Product (製品):提供する商品・サービス
- Price (価格):値段
- Place(流通):どこで売るのか?
- Promotion(広告):販売促進の方法
買い手目線では、次の4Cを確認します。
- Customer Value(顧客価値):商品・サービスに対するイメージ
- Cost(経費):コスパは良いか
- Convenience(便利):簡単に手に入れれるか
- Communication(伝達):情報を受けることができるか
4Pの「1.Product (製品)」は、4Cの「1.Customer Value(顧客価値)」と、4Pの2は、4Cの2と、3は3同士、4は4同士と売り手と買い手のお互いの目線で比べるようにしましょう。
売り手目線(4P)と買い手目線(4C)を見比べることで、ギャップを埋めることができ、よりお客さんの目に止まる可能性がかなり上がります。
7.実践・評価
ここまできたら、実践にうつすのみです。そして、評価ですが、上手く行かなかった場合は、上手く行かなかった原因を把握する人は多いです。しかしながら、上手く行った場合、上手く行った要因を把握する人は少ないように感じます。
「なぜ上手く行かなかったのか?」だけでなく「なぜ上手く行ったのか?」その要因も突き止めて把握し、評価することをオススメします。
最新のマーケティング手法
マーケティングは、時代の流れによって少なからず新しい施策(手法)も出てきています。ここでは軽くですが、最新のマーケティング手法をお伝えします。
Web(ウェブ)を使ったマーケティング
最新のマーケティング手法とは、「Web(ウェブ)マーケティング」です。
先述にもありますが、昨今では多くの企業が商品・サービスをインターネット上(ECショップや通販サイトなど)で販売しています。例えば、ドライヤーを家電量販店に実物を見に行き、その後同じドライヤーをネットで調べ、お店より安いモノを購入する方も増えて来ています。
このように、ウェブ上での売買の需要も高まっているのです。つまり、インターネットが普及した現代で「Web(ウェブ)マーケティング」も知っていた方が強いです。なぜなら、今後はもっとインターネットを利用した商品・サービスが増えることが予想されます。遅れを取らないためにも知識として持っていた方が良いでしょう。
Webマーケティングは、ネット上で商品・サービスを提供している企業はもちろん、リアルビジネスの企業にも言えます。
気になる方は、こちらをご覧ください。→マーケティングとWebマーケティングの違いは? 基礎から実践までのすべてを公開
まとめ
ライバルに差をつけるだけでなく、売れ続ける仕組みを作ることが可能なのが今回お伝えしたマーケティングです。基礎をしっかり頭にインプットし、まだ取り入れていない方は、今スグにでも始めることをオススメします。
企業や提供する商品・サービスによってマーケティングの仕方は少なからず変わって来ますが、基本的には、お伝えしたステップで始めて見てください。
少しでもあなたのお役に立てれば、幸いです。
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