あなたは、『セールスコピー』について詳しく知っていますか?
セールスコピーとはコピーライティングと呼ばれる分野の1つで、セールスに直接関係する内容になります。しかし、意味が混同されたり勘違いされたりすることが多いです。
この記事では意外に知られていない『セールスコピー』について詳しく解説し、セールスコピーの法則や参考書についてもお伝えします。
セールスコピーとは何?
最初でもお伝えしましたが、セールスコピーはコピーライティング分野の1つです。そのため、まずはコピーライティングについて説明します。
コピーライティング → コピー(Copy:広告や新聞などの文章) + ライティング(Writing:書くこと)
コピーライティングの『コピー』の意味は、”複写” ではなく『文章』です。日本でコピーライティングと言われるときは、『広告文章を書くこと』の意味で使われます。
このコピーライティングのうち、セールスを目的にしたものが『セールスコピー』になります。つまり、広告の文章でセールス(購買)につながる行動を起こしてもらうことです。
「あれ!? 広告なんだから、何でもセールスにつながるのでは?」と思ったかもしれません。実はコピーには『イメージコピー』と『セールスコピー』の2種類があります。さらに、それらを書く人のことをそれぞれ『コピーライター』と『セールスコピーライター』として呼び分ける場合もあるのです。
すこし細かくなりますが、この2種類の『コピー』について以下に説明します。
イメージコピー
イメージコピーは、目をひく写真やイラストと素敵な言葉を組み合わせて、見る人の注意を集めることが多いです。広告する商品やサービス、会社のイメージアップとして使われます。その広告から直接反応(購入や問い合わせなど)をもらわないので『ブランディング広告』とも呼ばれます。
また、イメージコピーの中でも1行で人の心をつかむ文章は『キャッチコピー、キャッチフレーズ』と呼ばれ、見た人の話題にのぼりやすい文章です。このキャッチコピーが話題になり、記憶に残ることで、商品やサービス、会社の売上げアップにつながります。
キャッチコピーの例には、下のようなものがあります。
- あなたと、コンビに、ファミリーマート:コンビニエンスストア(ファミリーマート)
- ありがとう、いい薬です:医薬品(太田胃散)
- 生きろ。:映画(もののけ姫)
あなたもどこかで目にしたり、聞いたりしたことがあるのではないでしょうか。3番目にあげた「生きろ。」のキャッチコピーを考えたのがコピーライターの糸井重里(いといしげさと)さんです。糸井さんの影響で『コピーライター』と聞いた人の多くが「キャッチコピー?」「糸井重里さん?」と連想するようです(私も以前はそう思っていました)。
セールスコピー
セールスコピーは、人の感情をゆさぶる単語や言葉を組み合わせて、見た人を動かす文章です。写真やイラストが無いこともあります。見た人をその場で行動させて、購入や申込みにつなげることが最大の目的です。
このページの一番下にも、セールスコピーを取り入れたバナー広告が貼ってあります。この広告の場合は、見た人にメールマガジンの読者になってもらうことが目的です。
このセールスコピーの考え方をダイレクトレスポンスマーケティング(DRM)という手法で日本に広めたのが、日本を代表するマーケッターの神田昌典(かんだまさのり)さんです。神田昌典さんの肩書きには出てこないのですが、セールスコピーライターの権威とお伝えしても差し支えないでしょう。神田昌典さんの著作と日本に広めた考え方を後ほどご紹介します。
このように、イメージコピーとセールスコピーは全く違う内容になっています! ただ、言葉だけではわかりづらい部分もありますので、図にまとめてみました。
今回の内容は『セールスコピー』についてお伝えすることが目的なので、セールスコピーについてより掘り下げてゆきます。
セールスコピーの特徴1
セールスコピーの特徴1つめは、見た人を直接行動させることです。セールスコピーを見た人にその場で買ってもらう、申し込んでもらう、登録してもらう、とにかく行動させる必要があります。
なぜここまで行動させることに熱心かというと、人はいそがしくて忘れやすい生き物だからです。見たときに行動させられなかったら、すぐに他のことに気を取られてしまいます。その人に悪気はなくても広告内容を忘れてしまうため、ほとんど帰ってくることはありません。
そのため記憶に訴えるイメージコピーと違い、セールスコピーでは美しい単語よりも購買心理の理解やセールス手法が大事になってきます。
セールスコピーの特徴2
もうひとつのセールスコピーの特徴は、数値で計測できることです。イメージコピーの場合、どんなに話題になっても、どれだけ売上げがアップしても広告の効果かどうか正確にはわかりません。反対に、その場で行動させるセールスコピーならば、広告の費用対効果をはかることができます。
つまり『10,000人に広告を送って500人が申し込んだので、反応率5%』のように計算できるのです。
インターネットが普及する前はチラシの番号をきいたり、クーポンの持参を数えたりして計算するのが一般的でした。インターネットを使ったシステムを利用するときは、購入や申込みの割合を簡単に計算できるようになっています。
費用対効果をはかることができるため、広告を出しても赤字ならば広告内容を再度考えることができます。そのため、顧客の一部だけに広告を出して反応を見てから広告の範囲を広げることが可能です。
セールスコピーの法則
コピーライターと聞くと「自分にはセンスがないから」「素敵な言葉を選べないから」と言ってあきらめてしまう人がいますが、セールスコピーライターにセンスは不要です。
センスよりも人の感情を動かす単語の知識や、相手に共感する書き方を知っているかが重要になります。しかも、セールスコピーの書き方には法則と呼ばれるものがあるのです。この法則に従って書くことで文章を読んでもらいやすくなります。
セールスコピーの法則は商品・サービス内容によってさまざまなものがあるのですが、ここでは上でご紹介した神田昌典さんが1999年に提唱したPASONAの法則についてお伝えします。
PASONAの法則
読まれやすくなる文章構成の頭文字を取って名づけられているのが『PASONAの法則』です。
Problem:問題を明確にする
お客さんが抱えている問題をハッキリと提示して気づかせます。
Agitate:問題点を煽(あお)り立てる
「その問題を放っておくとどうなるのか」「あなたの生活がその問題でどう変化するか」など、抱えている問題をイメージできるように表現して具体化させます。
Solution:解決策を示す
「その問題を解決する手段として、このようなものがありますよ。」と取り扱っている商品・サービスの説明をします。
Narrow Down:販売できる条件や期間を限定する
限定や緊急性などを示して、この商品・サービスは「誰でも買えない」「今しか手に入らない」ことをお客さんに伝えます。
Action:行動を呼びかける
今すぐに〇〇の方法で行動(購入や申込みなど)するように呼びかけます。
これだけでは、PASONAの法則についてもの足りないと思いますので、別記事にまとめてある詳細を読んでいただくと、具体的な書き方を学ぶことができます。
PASONA(パソナ)の法則とは?セールスレターの書き方│テンプレート
また2010年代になり、PASONAの法則が誤って使われる例(不安をむやみにあおる『煽りレター』など)も見られるようになりました。そのため、時代に合わせてさらに改良されたのが2016年に提唱された『新・PASONAの法則』です。
『新・PASONAの法則』では、Agitate(あおる)がAffinity(親近感・類似性)に変更され、Offer(提案)が加えられて、お客さんに共感し具体的な提案をすることが盛り込まれています。
もちろん、セールスコピーの書き方の法則はPASONAの法則だけではありません。もうひとつ別記事で解説していますので、興味のあるあなたは、こちらもご覧ください。
QUESTの法則(フォーミュラ)とは?セールスレターの書き方│テンプレート
セールスコピーについて学べるオススメの本
これまでの内容で、セールスコピーについてイメージできたでしょうか?
「もっとセールスコピーについて学びたい、書き方を習得したい」と思ったら、まずは書籍で勉強することをオススメします。なぜなら、セールスコピーの専門家が自分のスキル(文章作成能力)を使って、重要なポイントをまとめてくれているからです。
どんなに有名なプロスポーツ選手でも、本を書くときに自分のスキル(身体能力)は使えませんよね。その点、人を行動させるセールスコピーライターの書籍であれば、(販売実績を伸ばしたいので)本そのものがセールスコピーのスキルを使って書かれていることがほとんどです。
つまり、セールスコピーのポイントを知ることができるだけでなく、読んでいるときのあなたの感情にも着目することで、セールスコピーを読む立場の心理も学ぶことができます!
セールスコピーの関連書籍は何百冊もありますが、その中でも特にオススメの本をあなたにご紹介します。
現代広告の心理技術101
著者のドルー・エリック・ホイットマン氏は、アメリカで活躍している現役バリバリのセールスコピーライターです。この本ではホイットマン氏があげる基本的なテクニックや書き方が、各章に詰め込まれています。
この書籍のタイトルに含まれている『心理技術101』は、ほんの一部(たったの8ページ!)に過ぎません。もっと重要な書き方の例や実際の反応が豊富に書かれているので、セールスコピーを学ぶのであれば、最初に読んでおきたい一冊です。
禁断のセールスコピーライティング
上で紹介した神田昌典さんの著作で、PASONAの法則を使って書かれたセールスコピーの例が本書の中で公開されています。
セールスコピー関連の有名な書籍は海外から輸入された翻訳本が多く、当然事例も外国で『ウケた』例になることが多いです。一方、この書籍の事例は神田昌典さんが日本人相手に結果を出した具体例が豊富にのっているため、共感できる部分が多いでしょう。
また、新・PASONAの法則について書かれた『稼ぐ言葉の法則』もオススメです。
セールスコピーライター成功戦略
ちょっと手前味噌な紹介になりますが、大山祐矢さんの著作を紹介します。このサイト上の右側に出ているので、気がついていたかもしれません。
この本では経験ゼロからセールスコピーライターになるまでの方法やセールスコピーの基本的な書き方、クライアントを獲得するための手法が満載です。セールスコピーライター業界の闇の部分にもスポットライトを当てているため、セールスコピーライターに興味をもったあなたにオススメの1冊となります。
まとめ
今回の記事では、人を行動させる文章『セールスコピー』についてお伝えしてきました。それぞれの項目の内容でコンテンツや書籍が1つ書けるくらいなのですが、かいつまんで紹介しています。そのため、もの足りなさを感じているかもしれません。もしそうでしたら、別のコンテンツや上で紹介した書籍を読むことをオススメします。
ちなみに、神田昌典さんのご紹介だけでもコンテンツが1つあるので、読んでみてはいかがでしょうか。
神田昌典とは? セミナーの評判やおすすめの本、学ぶべき人を紹介!
最後に、セールスコピーのコツをあなたにお伝えします。
テクニックや法則は色々ありますが、これらはあくまでも基本です。新・PASONAの法則が『親近感』を取り入れたように、テクニックよりもお客さんの気持ちに寄り添うことが重要な視点になります。あなたがセールスコピーを書くようになったら、「お客さんの役に立とう!」と意識するだけで見違えるほどに反応が変わるはずです。
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当サイトでは『人を行動させる文章スキル』セールスコピーライティングや、マーケティング手法についてさまざまな情報提供をしています。セールスコピーライターを目指す方だけでなく、商売やビジネスに取り組んでいる方にも役立つ内容ばかりです。
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